税理士による医院開業にまつわるコラム

(5)開業物件の選定方法 2

提供税理士行政書士事務所 みうら会計 三浦 康弘氏 コラム提供者のアイコン

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賃貸物件を検索中の先生から質問をいただきました。
「興味がある物件があるのですが、内見する際にに何に注意したらいいでしょうか?」
最近はインターネットでも不動産情報を簡単に入手できるようになりましたので、業者に頼らずに物件探しをすることも十分可能となってきました。

賃貸物件を内見する時の注意点

(1)「スケルトン」なのか?「事務所仕様(内装有り)」となっているか?

「スケルトン」とは部屋に建物躯体むき出しの状態になっており、内装設備がない状態をいいます。この状態ですと、床・天井・壁・水回り(トイレ・流し)・エアコンなどを自分で用意しなければなりません。こういった設備の調達コストがかかるデメリットがありますが、部屋割りなどの設計の自由度が高いことと、自分好みの設備を導入できるというメリットがあります。

これに対して、「居抜き」と言われることもありますが、「事務所仕様」になっていて、什器備品(机・椅子・キャビネットなど)を運び入れれば一般の事務所は営業ができる状態になっているような物件もあります。
こちらは「スケルトン」と違い設備がついてますので、その分のコストが浮くというメリットがあります。ただし、エアコンが天井にビルトインされているタイプの場合、多少位置をずらせますが、部屋割りの制限を少なからず受けることとなります。また、水回りの位置も決まっているため、もし場所を変えるのであればそれだけコストがかかってきます。

(2)出入り口の位置
正方形の整った形をしたテナントであればどの位置に出入り口があっても大差ないのですが、横長のテナントの場合出入り口の位置が重要になります。横長テナントの長辺の真ん中あたりに出入り口がある場合には、左右に広がりが出て設計もしやすくなります。逆に短辺や長辺の端に出入り口がある場合には、部屋の奥に行くために必ず通路が必要となります。一般的には、患者さま用の表導線とスタッフ用の裏導線が必要になりますので、テナントの形が細身になればなるほど、部屋割りがきつくなり、無駄な廊下スペースに面積をとられてしまいます。

ただし、一概に難しいということではなく、窓や壁側に沿って待合席用のカウンターを設け、通路兼待合室としてデザインを工夫するなど、設計ノウハウにより、ある程度緩和することもできるようになってきていますので、ご自分だけで最終判断する前に専門家の意見も聞いてみましょう。

(3)電気の容量
ビルテナントの場合、建物やフロアごとの電気容量が決まっています。
既存の容量よりも増やすことになる場合には配電盤の交換やキュービクル(高圧受電設備)の設置など100万円単位の追加工事が必要になることになります。ご自分のお使いになる医療機器について、ある程度の構成と必要電気量を調べておくことも準備の一つです。

(4)エアコンの追加設置について
既存の部屋数で足りない場合、部屋の増加によりエアコンを追加する必要が生じてきます。エアコンは室外機が必要ですので、増えた室外機の置き場所があるかどうかもチェックポイントとなります。

(5)天井高
有効天井高(床仕上面から天井仕上面までの高さ)が一般的な事務所仕様にある2.2メートルから2.4メートル程度より低い物件もあります。
水回りを移動する場合には、排水口からの距離が長くなるほど下水の配管の勾配(傾斜)が必要となりますので、床上げの高さスペースが足りなくなると困ります。最終的には既存の天井裏スペースと床下スペースの高さを確かめたうえで、設計士さんと判断することとなります。

(6)管理組合のあるテナント
管理組合の規定により、壁面看板や入口の置き看板などの広告を出す場所の制限がある場合があります。内見前や内見時に不動産屋に確認し、場所を確認するのもよいでしょう。

(7)テナントオーナーの理解
診療科にもよりますが、不特定多数の患者が出入りすることを嫌うオーナーさんもいらっしゃるので、仲介をしている不動産屋に確認しておくのがよいでしょう。

医療ビルとしてテナント募集している場合には上記のような点をクリアしていることが多いので安心感はありますが、それでもご自分で確認し、専門家の助けもいただくのもよいと思います。

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