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オンライン服薬指導とは? 実施要件やメリット、対応のポイント

成功する医院開業への道

オンライン服薬指導とは? 実施要件やメリット、対応のポイント

インターネットや通信機器の発展・普及に伴い、医療業界でもオンライン上のサービスが導入されています。その一つが「オンライン服薬指導」です。

オンライン服薬指導は患者さまにも医療機関にもメリットがあるので、開業にあたって理解を深めておくことが重要です。

今回の記事では、オンライン服薬指導の概要や要件、メリット・デメリット、現場での流れ、クリニックが準備すべきことについて解説します。

目次

 

オンライン服薬指導とは

オンライン服薬指導

オンライン服薬指導とは、パソコンやスマートフォンといった通信機器を介して薬剤師が患者さまの状態をチェックしつつ、処方薬の飲み方を指導することです。

以前は医薬品を処方する場合、原則として薬剤師による対面での服薬指導が義務付けられていました。しかし、2019年に改正薬機法が成立したことにより、全国でオンライン服薬指導が可能となったのです。

本来、改正薬機法の施行は2020年9月予定でしたが、同年から流行した新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、厚生労働省は時限的にオンライン服薬指導を解禁する「0410対応」を発出し、2020年4月よりスタートしました。

その後、2022年3月31日に改正省令が施行されたことで、対面診療を行った患者さまに対しても実施が可能となり、診療形態や薬剤の種類に関する規制も緩和されるなど、普及が推進されています。

1-1 厚生労働省が定めるオンライン服薬指導の要件

まずは、厚生労働省がオンライン服薬指導の実施要件として定める、以下の2つのポイントについて簡単に解説します。

  • 薬剤師の判断
  • 患者さまに対する必要事項の通知

1-1-1 ①薬剤師の判断

オンライン服薬指導はその都度、薬剤師の判断・責任に基づいて実施しなければなりません。服薬指導を実施したことがない患者さま、もしくは処方薬の内容に変更があった患者さまについては、対面と同じくお薬手帳や診療情報、他の薬局からの情報によって服薬状況を把握しつつ指導します。

なお、注射などの手技が必要な薬剤については、医師による指導状況や患者さまの理解度も確認したうえで服薬指導ができるかどうかを判断します。もし薬剤師が正当な理由からオンライン服薬指導が困難であると判断した場合、対面での服薬指導を促しても調剤の応需義務違反に該当しません。

1-1-2 ②患者さまに対する必要事項の通知

オンライン服薬指導を実施する際は、あらかじめ患者さまに以下のような必要事項を通知しなければなりません。

  • オンライン服薬指導の可否判断に関する事項

→「手技が必要な薬剤を初めて処方する」「通信障害が発生している」といった理由からオンライン服薬指導が困難と判断した場合、対面に切り替えなければならない旨を伝える

  • オンライン服薬指導における情報漏洩の危険性に関する事項

→情報漏洩に関する責任の所在を明確にする

また、認知機能障害などを理由に患者さまと意思疎通を図ることができない場合、その患者さまの家族に対して服薬指導ができます。

1-2 令和4年3月改正におけるオンライン服薬指導と0410対応との違い

令和4年(2022年)3月に施行された改正省令と0410対応の違いをまとめました。

 

0410対応(2020年4月~) 改正省令(2022年3月31日施行)
実施方法 薬剤師の判断により、初回でもオンライン服薬指導が可能

※薬剤師が判断するうえで、必要な情報等について例示

薬剤師の判断により、初回でもオンライン服薬指導が可能

※薬剤師が責任を持って判断するうえで、必要な情報等について例示

通信方法 電話(音声のみ)でも可 映像・音声による対応(音声のみは不可)
薬剤師 かかりつけ薬剤師・薬局、患者さまの居住地にある薬局による実施が望ましい かかりつけ薬剤師・薬局による実施が望ましい
診療形態 オンライン診療・訪問診療で交付した分も含め、どの診療の処方箋でも可能
薬剤の種類 原則すべての薬剤が対象(手技が必要な薬剤については、薬剤師が適切であると判断した場合のみ)
服薬指導計画 規定なし 服薬指導計画の書面作成は求めず、服薬に関する必要最低限の情報等を明確にする
セキュリティ等の留意事項 初診時の要件遵守の確認(麻薬や向精神薬の処方は行わない等)

※事務連絡で別途通知

患者さまにオンライン服薬指導の情報漏洩等に関する責任の所在を明確にする

 

対面と同じく初診時の要件遵守の確認(麻薬や向精神薬の処方は行わない等)

実施場所 規定なし

(薬剤師:その調剤を行った薬局内の場所とすること)

患者さま:プライバシー配慮(患者さまの同意があれば、その限りではない)

 

薬剤師:薬局内に加え、「当該薬局において調剤

に従事する薬剤師と相互に連絡をとることができる場所」
→薬局外からの指導も可能

オンライン服薬指導のメリット

オンライン服薬指導

オンライン服薬指導には、以下のようなメリットがあります。

  • 通院が難しい患者さまにも医療を届けられる
  • 感染リスクの軽減
  • 業務効率化

患者さまはもちろん、医療機関にとっても有益な面があります。

2-1 通院が難しい患者さまにも医療を届けられる

オンライン服薬指導の場合、患者さまは自宅にいながら薬剤師とやり取りできます。そのため、以下のような事情を抱える患者さまであっても、負担なく薬の処方を受けることが可能です。

  • 仕事などの都合で営業時間内に薬局へ行けない
  • 通院困難で在宅医療を受けている
  • 足腰が弱っていて通院・来局が難しい
  • 離島やへき地といった医療過疎地に住んでいる

また、移動時間や待ち時間を削減できる、交通費がかからないといった点も患者さまにとってのメリットです。

2-2 感染リスクの軽減

病院や薬局はさまざまな疾病を抱える患者さまが集まる性質上、感染症が拡大しやすい場所です。しかし、オンライン服薬指導なら患者さまは自宅を出る必要がなく、他の患者さまと接触する機会もないので、感染リスクを軽減できます。

特に新型コロナウイルス感染症の流行後は、医療機関のみならず患者さまも感染リスクに対する意識が高まっています。感染対策としてオンライン服薬指導を実施することは、患者さまのニーズを満たすことにもつながるのです。

2-3 業務効率化

患者さまが在宅医療を受けている場合でも、今まで薬剤師は患者さまの自宅を訪問して対面での服薬指導を行う必要がありました。しかし、オンライン服薬指導に切り替えれば、薬剤師の訪問頻度を減らせるため、業務効率化によって負担を軽減できるのがメリットです。

また、連絡体制や通信環境を整備したうえでプライバシーに関する問題を解消すれば、薬局外からオンライン服薬指導を行うこともできるため、薬剤師のリモートワークが可能です。

オンライン服薬指導の流れ

オンライン服薬指導

オンライン服薬指導を実施する際は、以下のような流れで進めます。

  1. 対面またはオンラインで診察
  2. 薬局に処方箋を送信
  3. 薬剤師によるオンライン服薬指導の実施
  4. 患者さまの自宅に処方薬を配送

3-1 対面またはオンラインで診察

オンライン服薬指導を利用する場合であっても、先に患者さまは病院やクリニックで医師の診察を受ける必要があります。診察は対面・オンラインのどちらでも構いませんが、患者さまからオンライン診療の可否についてクリニックに問い合わせが来るケースもあるので、状況に応じて対応しましょう。

診察自体は普段通りで問題ありませんが、患者さまがオンライン服薬指導を希望された場合は、どの薬局を利用するのか確認しましょう。

3-2 薬局に処方箋を送信

診察終了後は必要に応じて処方箋を発行しますが、患者さまがオンライン服薬指導を希望している場合、処方箋は患者さまに渡さず薬局に送信します。一方、対面での服薬指導を希望している場合、患者さまに処方箋を直接渡します。

オンライン服薬指導の際は、患者さまが利用する薬局に処方箋をメールやFAXで送信しますが、処方箋の原本も送付する必要があります。

なお、薬局によってはオンライン服薬指導に対応していないため、事前に確認をとりましょう。

3-3 薬剤師によるオンライン服薬指導の実施

病院やクリニックから処方箋を受け取ったら、薬剤師はその内容をチェックしつつオンライン服薬指導の準備を進めます。通信機器や通信環境を整えるとともに、処方薬の調剤も行うという流れです。

調剤にあたって疑問点や不明点がある場合、薬剤師から医師へ問い合わせ(疑義照会)が行われるケースもあります。

上記の準備が終わったら、予約日時に薬剤師がビデオ通話で患者さまに症状を確認し、処方薬の飲み方・効果・注意事項などを説明します。

3-4 患者さまの自宅に処方薬を配送

オンライン服薬指導が終わって会計処理も完了したら、患者さまの自宅や入所先の施設などに処方薬を配送します。別途配送料が発生しますので、会計時に併せて決済します。診察もオンラインで実施した場合、患者さまは一切外出せずに薬を受け取ることが可能です。一方、従来のように薬局で受け取ることも可能なので、患者さまのご要望に合わせて対応する必要があります。

処方薬を配送する際は、配送中の衝撃や温度変化などで品質が損なわれる可能性もあるため、薬局側で丁寧に梱包・配送管理することが大切です。

オンライン服薬指導の課題・デメリット

オンライン服薬指導の患者

オンライン服薬指導には、以下のような課題・デメリットもあります。

 

  • 患者さま・医療機関双方の理解や環境整備が必要
  • 患者さまの状態を直接確認できない

4-1 患者さま・医療機関双方の理解や環境整備が必要

オンライン服薬指導はインターネットに接続して提供するサービスなので、パソコンやスマートフォンといった通信機器はもちろん、通信環境や通話アプリがないと利用できません。そして、サービスを適切に利用するためには、ITリテラシー(IT技術に関する知識や対応力)の向上やオペレーション整備を図ることも必要不可欠です。

これは患者さま・医療機関の双方に当てはまる課題なので、状況によってはオンライン服薬指導の実施が難航する可能性もあります。

4-2 患者さまの状態を直接確認できない

オンライン服薬指導は性質上、対面でのコミュニケーションより患者さまの状態を確認しづらいという懸念もあります。そのため、観察の精度が下がりやすい点もデメリットです。

一方、患者さまの服薬情報や副作用等については、薬局よりトレーシングレポートとして共有されます。

  • アドヒアランス残薬の状況
  • 残薬の状況
  • 複数病院の受診および服薬歴
  • OTCや健康食の服用

患者さまから聞き取った上記のような情報は、「必ずしも緊急を要さないものの、担当医師へ情報提供するべきと考えられる情報」としてフィードバックされるようになっています。

 

オンライン服薬指導の普及に対してクリニックが準備すべきこと

オンライン服薬指導を普及させるためには、クリニック側でも以下のような準備を進める必要があります。

  • オンライン服薬指導に対応した薬局との連携
  • 必要な機器・通信環境・アプリやサービスの整備
  • オンライン診療の導入

5-1 オンライン服薬指導に対応した薬局との連携

オンライン服薬指導はクリニックと薬局があって初めて成立するサービスなので、両者の連携が欠かせません。しかし、オンライン服薬指導はまだまだ普及の過渡期にあるので、現状は対応できていない薬局も少なからず存在します。

オンライン服薬指導を導入する場合、あらかじめスムーズに対応できる薬局との連携を図ることが大切です。薬剤師から医師へ疑義照会を行うケースも考えられるので、連絡体制もきちんと確立する必要があります。

5-2 必要な機器・通信環境・アプリやサービスの整備

先述の通り、オンライン服薬指導は映像・音声のビデオ通話で実施しなければなりません。そのため、クリニック側でも必要な通信機器を用意したうえで、安全かつ快適な通信環境を整備したり、アプリやサービスに登録したりする必要があります。

また、紙ベースでのやり取りが不要になる「電子処方箋」の導入も検討したいところです。処方箋を電子データで送受信・管理することで、クリニックから薬局へスムーズに送信できるようになります。

5-3 オンライン診療の導入

オンライン診療をオンライン服薬指導と併せて導入することで、診察・治療から服薬指導までオンライン上で完結できるようになります。そのため、患者さまの通院負担や感染リスクの軽減、クリニックの業務効率化といったオンライン服薬指導のメリットの効果をより高めることが可能です。

使用する通信機器や通信環境はオンライン服薬指導と基本的に同じですが、厚生局への届出や対象患者の決定といった準備も別途必要なので、手順を調べておきましょう。

日本調剤のオンライン服薬指導サービス

日本調剤は医療機関のオンライン化を推進しており、オンライン服薬指導についても「NiCOMS」「LINEドクター」というサービスを取り扱っています。

オンライン服薬指導への対応を検討しているなら、ぜひチェックしてみてください。

6-1 NiCOMS

NiCOMS(ニコムス)は、日本調剤が自社開発したオンライン服薬指導サービスです。全国700店舗以上の薬局で対応しており、2023年10月時点で登録患者数は11万人以上、10万件以上のオンライン服薬指導実績があります。

患者さまには無料でご利用いただけるうえ、操作はシンプル・簡単なので、クリニックにとっても使いやすいサービスです。オンライン診療を導入している多くのクリニックとの連携実績もあるため、信頼性も高いといえるでしょう。

6-2 LINEドクター

LINEドクターは、LINEヘルスケア株式会社が提供しているオンライン診療サービスです。LINEアプリ上で診療予約や無料ビデオ通話でのオンライン診療、診療費用の請求などを行うことができます。

日本調剤はLINEヘルスケア株式会社と提携し、LINEドクターでもオンライン服薬指導をスタートしました。以前は院内処方の医療機関のみ対象でしたが、提携後は院外処方の医療機関でも利用できるようになったので、オンライン服薬指導の利便性が高まっています。

日本調剤の開業サポート

オンライン服薬指導を導入すれば、遠隔でやり取りしながら患者さまに薬を処方できるので、薬剤師の業務効率化にもつながります。感染リスクの軽減というメリットを踏まえても、今後普及が進むと考えられるため、クリニックを開業するなら要チェックです。

日本調剤では、集患しやすい優良物件の紹介やスタッフ採用の支援など、無料の開業サポートも行っています。患者さまにとって利便性の高いオンライン服薬指導に対応した薬局との連携も踏まえて開業を検討されているなら、ぜひご相談ください。

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