税理士による医院開業にまつわるコラム

(1)開業資金について

提供税理士行政書士事務所 みうら会計 三浦 康弘氏 コラム提供者のアイコン

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まず初回は開業資金についてお話をさせていただきます。

税理士という職業柄、事業計画書作成の段階でお呼びがかかります。
ドクターの皆様の知りたい点は、ほぼ共通しています。
(1)開業までに費用はどのくらいかかるのか?開業した後も経営はうまくいくのか?
(2)開業すると勤務医である今の収入を上回るのか?

上から順に整理してみましょう。

開業までに費用はどのくらいかかるのか?開業した後も経営はうまくいくのか?

開業資金を大きく分けると「設備資金(イニシャルコスト)」と「運転資金(ランニングコスト)」の2つに分けられます。
「設備資金」とは、建物・内装や医療機器などのハード面を中心に、主に開業日までに揃える部分の資金を指します。
「運転資金」とは、開業後のテナント家賃や人件費、リース料、水道光熱費、
福利厚生費、交際費、諸会費などの開業後にかかる費用をまかなうための費用を指します。

「設備資金」は見積もり比較などにより、ドクターご自身でも計算しやすく、
また「いくらで買い揃えられる」ということで頭の中でも整理しやすい数字と言えます。
これに対して「運転資金」は保険請求が入ってくるまでの経費分をまかなう分と言われるため、
積み上げ計算をしなくてはならず、わかりにくいということになります。
そして、厳密に言えば、単に2ヶ月(翌月請求後2か月後の末入金のため、実質は3カ月)分の経費を見積もるだけでは足りません。
黒字化するまでは赤字ですから、その赤字期間中に資金不足を起こさないように手当する必要があります。
そこで、開業初期の収入から経費と税金と借入金の元金と生活費を引いた赤字額を計算し、
さきほどの運転資金では足らない分を足して運転資金の合計を出します。

開業すると勤務医である今の収入を上回るのか?

所得(いわゆる儲け)で見てみましょう。

勤務医の場合、給与所得ですから単純に所得税と住民税と健保・
厚生年金保険料(または共済保険料)を引いた手取りで1年分を考えます。
開業医の場合、事業所得とバイトの給与所得の合計から所得税と住民税と健康保険料と国民年金を引き、
さらに事業の借金の元金返済分を引きます。
よく勘違いされるのですが、事業借入金の利息は事業経費になりますが、返済のうち元金は事業所得の計算上、経費にはなりません。

果たして、逆転するのかしないのか、逆転するとしても何年先になるのか?
5カ年の事業計画書を作成することで見ていくといいでしょう。

この2通りの所得で比べた結果、例えば4年目に逆転したとすると、3年間は開業による所得の目減りがあります。
ただし、開業してから15年~20年は続けるつもりで皆様開業されますので、
目減り分を取り戻して勤務医時代より上回れることと思います。

また、勤務医時代には経費にできなかった医学書や専門医研修費や交際費などを経費にできるなども、開業の醍醐味となることでしょう。

事業経費については、次回以降にお話をさせていただきます。

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