開業時から考えたいクリニックの組織づくり

(3)組織づくりの基礎知識 ―その2―組織ができあがるステップ

提供株式会社メディリリーフ 代表取締役 中小企業診断士 医療経営士2級 荒井 ゆき氏 https://medirelief.co.jp/ コラム提供者のアイコン

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今回は、組織が出来上がっていく時のステップについてお話しいたします。

実は、どのような組織を作るにも、必ず通る4つのステップがあります。

1)形成段階:皆が緊張。お互いにちょっとした探り合いの状態。
2)混乱段階:皆が自由意志で仕事をし始め、混乱し始める。
3)定義定着段階:必要なルールや方針、考え方が定まり、連携の取れた分業が始まる
4)実現段階:目標としたチーム像に近づき、結果が出始める

うまくいく組織は、第4段階まで短期間でたどり着きますが、うまくいかない組織は何年かけても第2段階で終わってしまいます。つまり、ポイントはいかにして第3段階に行くかということです。ここで、それぞれの段階について少し掘り下げてみます。

第1段階の「形成段階」は、“和”を大事にする日本人ならではの気質に由来します。最初は皆の状態を探り合い、自分から率先してことを起こすことはあまりしないためです。早くこの段階を通り過ぎるためには、組織内のコミュニケーションを増やし、お互いのことを理解しあうことが重要になります。意見交換や、食事会なども意識して実施できると良いですね。

続いて第2段階の「混乱段階」です。スタッフは皆さん非常に真面目ですので、明確な指示がなくても与えられたミッションを自分なりに考えて動き出します。しかし、当然動きはバラバラになってしまいます。それぞれ自分が正しいと思って行動をしているので、うまくいかないと感情的な軋轢と混乱が生じるのです。ここでは、リーダーである院長が、皆に対して「方向性」を示すことがポイントとなります。全員がそれを理解し、同意して動くようにならない限り、この混乱は収まらないのです。

そして第3段階、「定義定着段階」です。ここでも皆さんの生真面目さが発揮されます。自分の役目や仕事のやり方、チームのルールが決まると、皆それに従って動いてくれます。また、もし組織の中で何か問題が生じても、「やり方、考え方を新たに決めれば良い」という解決方法が身につき、改善が早くなります。この「定義づけ」と「定義の定着」をとにかく早く行うことが、リーダーの大事な役目となるのです。

そして、最後の段階が「実現段階」です。組織内のメンバーが相互に理解された役割やプロセスに基づいて、日々の業務が遂行されます。ここまで来て、やっと期待された仕事ができる組織となります。1日も早く、この状態になることを目指したいですね。

そもそも組織とは、単なる人の寄せ集めではなく、個人の生産力の足し算以上の成果を出すことを目的に作るものです。しかし、運営方法を間違えると、集団だから言いたいことが言えなくなる、集団だから誰も考えなくなる、集団だから考えが凝り固まる、といったマイナス方向に働いてしまうリスクをはらんでいます。

組織を作る上では、目標を定めること、仕事で重視する考え方を決めること、仕事のルールを決めること、そして戦略(うまく行く方法)を伝えることが院長の重要な役目となります。

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