開業時から考えたいクリニックの組織づくり

(8)スタッフへのメッセージの伝え方 Ⅱ

提供株式会社メディリリーフ 代表取締役 中小企業診断士 医療経営士2級 荒井 ゆき氏 https://medirelief.co.jp/ コラム提供者のアイコン

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前回のコラムでは、円滑にコミュニケーションを行っていくための考え方の一つとして産業心理学の分野であるソーシャルスタイル理論をご紹介しました。人は社会で活動する中で、以下の4つのタイプに分けられる、というお話でした。

今回は、それぞれのタイプ別に、どういった働きかけをするとスムーズに行動を起こしてもらいやすいかをご紹介します。

まずは、ドライバー(行動派)です。このタイプは即断即決、仕事は仕事と割り切るタイプですので、結論を先に持っていき、端的に話すとすんなり受け入れてもらいやすいです。目標に向かって突き進むことを最も大切にしているため、感情を挟んだり、質問に至るまでの経緯を長々と説明するのはイライラさせてしまいます。怖がられたり、他の人と衝突しやすかったりしますが、なかなか動かない仕事を前に進めたり、困った時にすぐに答えを出してくれたりと頼りになる存在ですので、要点を絞って、イエス、ノーで答えられる質問を投げかけたり、選択肢を数パターン用意して選んでもらうと良いです。

エクスプレッシブ(感覚派)は、ノリの良いムードメーカーで、親分肌なところがあります。細かいことにはとらわれないので、とにかく動きながら、一緒に考えるというのが効果的です。楽しみながら、何かを達成したいという意欲がある一方で、否定されたり、放置されたりするのは嫌います。大勢の前で名指しで褒めてあげたり、自由な発想を促すような質問を投げかけるとパワーを発揮してくれます。

続いて、アナリティカル(思考派)は、情報を重視し、石橋を叩いて渡る慎重なタイプです。思いつきの提案や、裏付けのない話には乗ったりせず、様々に情報収集し、分析し、着実にものごとを進めます。ですので、背景や理由を説明せずに依頼ごとをしたり、結論を急かしたりするとスムーズに行動してくれません。一方で、物事を解決したい意欲は大いにありますので、十分な時間と情報を与え、具体的にお願いをすると効果的です。

最後にエミアブル(協調派)です。こちらは日本人に一番多いタイプで、全年代において約半数がこのタイプに属するという調査結果も出ています。医療機関にお勤めの方に限定すると、さらに割合が高いかもしれません。どちらかというと自分よりも他人優先で、空気を読んだり、困っている人を見ると手を差し伸べずにはいられないようなタイプです。このタイプは、共感、肯定が大事です。あなたのおかげで助かったという感謝の言葉を伝えたり、何か判断を求めるときには他の人の意見を参考として添えてあげると動きやすくなります。「皆のためになる」「こうしたらもっと良くなる」ということを伝えると、全力でサポートをしてくれるようになります。

それぞれのタイプにより、時には真逆の働きかけが効果的になる場合があることがお分かりいただけたでしょうか。皆さんの周囲のスタッフを思い浮かべて、「この方にはこういう働きかけをしてみよう」というようにご参考にしていただけたら幸いです。

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