開業時から考えたいクリニックの組織づくり

(10)コミュニケーションを活性化してお互いを理解する

提供株式会社メディリリーフ 代表取締役 中小企業診断士 医療経営士2級 荒井 ゆき氏 https://medirelief.co.jp/ コラム提供者のアイコン

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 前回まではソーシャルスタイル理論や個々人の仕事感についてお伝えしてきました。これまでみてきたように、一人一人異なった価値観や思考パターンを持つことが、人間関係に頭を悩ませる原因だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

 スタッフとの関わり方や、スタッフ同士の人間関係に頭を悩ませるというのは、クリニックを運営する上で必ずついてまわってしまいます。
しかし、組織とは本来もっとシンプルなはずなのです。一つのゴール(クリニックの理念達成)に向けて、皆で働いて、皆で稼いで、皆で利益を分配するのが組織です。
日々働く中で、ついつい共に働く「人」に目が行きがちなのですが、いかにゴールに向かうための「業務」に目を向けられるか、が良い組織であるためのキーポイントだと筆者は考えています。

例えば、13時に改札の前でと待ち合わせの約束をしたとします。
このとき人によっては12:50には着いていないとと考える方、12:55に着けば十分だと考える方、13:00ちょうどにいれば良いと考える方、13:05までに行けば良いだろうと考える方、13:10くらいまでは許容範囲だろうと考える方等それぞれいらっしゃいます。
そのような中、もしも12:50の方と13:10の方の二人が待ち合わせしたとすると、20分も差が出てしまいますね。早く来た方にしてみれば、沢山待たされてイライラ…。
遅く来た方にしてみれば「そんなに怒らなくてもいいのに。そもそも早く来すぎじゃないか?」となってしまいます。13時に待ち合わせをしたのは、その後どこかに用事があったため、あるいはその先また別の方と合流するためだったかもしれません。しかし、イライラが募って本来の目的のことを考えるのが疎かになってしまうというのは、意外とよく起こっていることではないでしょうか。

このような事態に陥らないために、普段からコミュニケーションを活性化し、お互いの価値観を確認しておくことは大切です。定期ミーティングや朝のブリーフィングの一コマでお題を設定し、それぞれ自分ならどう考えるか、一言ずつ発表してもらうのもひとつです。

お題がなかなか思いつかないという場合には、先ほど挙げた、13時の待ち合わせなら何時何分に来ればいいと思いますか?といったことから始めてみてはいかがでしょうか。
こうした話題提起によって、普段のコミュニケーションも活性化してきますので、よりお互いの価値観を理解しあえる良い循環がうまれます。

また5つくらいの業務を列挙して、優先順位の順に並べてもらうというのも、人によって順番が全然違って驚いた、という事例もたくさん拝見しました。

先ほどの例でいうと、「うちのクリニックでは13時待ち合わせの場合は何時何分までに来るようにしましょう」といったルールを院長先生が明示して
おくことも大切です。個人の価値観が異なるのは理解した上で、組織として行動するため、業務を遂行するためには、明確な基準を設けて、全員で共通の認識を持つことが必要です。

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