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小児科医の年収は? 働き方・資格・キャリアでどう変わる?
医院開業コラム
クリニックにまつわるお金の話
2025.09.09 2025.09.09
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メディカルセンター.JP
「小児科は、やりがいは大きいけれど収入は低め」このようなイメージを持たれる方は多いかもしれません。確かに第24回医療経済実態調査報告で示された小児科勤務医の平均年収は1,220万円と、外科や脳神経外科ほど突出していません。
しかし視点を変えると、小児科には夜間当直で年収を底上げできる仕組みがあり、さらにクリニックを開業すれば3,000万円超も視野に入ります。小児科医は、働き方とキャリア設計次第で収入の伸び幅は医師屈指といっていいほど大きく変わります。
本記事では以下の切り口でデータを整理し、勤務医として夜勤と家庭をどうバランスさせるか、いつ専門医を取り、どのタイミングで開業準備を始めるかについて解説します。
小児科医としての将来設計を描くヒントにしていただければ幸いです。
2011年に実施された、JILPT「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によれば、小児科勤務医の平均でした。夜間救急や乳幼児健診など幅広い業務を担いますが、外科の約1,374万円より100万円以上、内科の約1,247万円よりも27万円ほど低い水準となっています。
一方で開業に踏みきった場合の収益ポテンシャルは高いといえます。厚生労働省「第24回医療経済実態調査報告」の「一般診療所 主たる診療科別損益状況」では、無床の小児科診療所の年間損益差額が3,709万円と示されており、勤務医の倍以上の水準が報告されていました。
勤務医の年収が低くなっている理由は、診療報酬体系にあります。小児科は入院を伴う高度手術が少なく、出来高部分は外来診療が中心となるため、手術手当や特殊処置加算で収入を大幅に伸ばす余地が小さいのが実情です。
そこで多くの病院では、夜間小児救急の当直手当や深夜割増で給与を補完しています。都市部の市中病院では当直1回あたり4~5万円が相場で、月3回こなすと年間150万円前後が上積みされる計算です。逆にいえば、救急輪番が少ない病院へ転職すれば労働負担は軽くなりますが、年収は1割ほど下がってしまうことになります。
開業医が高収益になりやすい背景として、患者数の安定とワクチン収益が挙げられます。乳幼児人口が多いエリアでは午前中だけで100人超の外来をさばくクリニックも珍しくなく、予防接種は公費と自費が混在するため保険診療より粗利率が高い傾向があります。
また健診・予防接種は、景気後退局面でも収益の変動が比較的少ない点もメリットです。地方でも児童数が伸びるベッドタウンであれば、外来数とワクチン需要が重なり4,000万円以上の損益差額を実現している例が報告されています。
ただし、開業には初期投資とリスクが伴います。新型コロナウイルスのような感染症の流行で患者数が急減したり、近隣に競合クリニックが開設されたりすると収益は大きく揺らぐリスクがあります。勤務医として安定を取るか、開業でハイリターンを狙うかは、地域の人口動態とご自身のリスク許容度を踏まえた慎重な判断が必要です。
年収を基準にキャリアプランを描く際には、①勤務医としての夜勤負担と年収のバランス、②開業時の外来需要とワクチン収益の見通し、③設備投資・スタッフ人件費を含む固定費の試算、という3つの指標を照らし合わせ判断しましょう。
小児科医の給与を語る際、労働時間と夜間当直は切っても切り離せません。JILPTの調査によると、小児科勤務医の週あたり総労働時間は平均52.0時間で、60時間を超えて働く医師が39.5%を占めます。また、月に宿直を3回以上担当する医師は51.2%に上り、夜間勤務の比重が高い診療科といえます。
夜間小児救急では、喘息発作や高熱など急変しやすい患児が集中します。病院側は深夜体制を維持するために当直手当(1回あたり4~5万円)と深夜割増(日勤換算で約3万円)を設けることが一般的です。これらを合わせると、月4回当直を行うだけで年間150万~200万円の上積みが可能になります。
小児科医が勤務する施設の種類によって、労働時間や夜間当直の負担には明確な違いが見られます。例えば、小児専門病院や基幹NICU(新生児集中治療室)を併設する病院では、救急搬送の頻度が高いため、当直は月に4~5回が標準となる傾向があります。これらの施設では、重症な患者さんの管理や新生児蘇生といった高度なスキルが求められる一方で、当直手当は手厚く、深夜の外来診療1件ごとに追加のインセンティブを支給する病院も見られます。
一方、市中総合病院においては、小児救急は地域輪番制への参加が中心となるため、当直回数は月に2~3回程度が目安となります。急患が少ない日には仮眠が取れる場合もあり、給与と負担のバランスを取りやすい環境といえるでしょう。
対照的に、無床のクリニックでは、基本的に夜間診療は行われず、当直もありません。したがって、夜勤手当による収入は見込めませんが、日勤帯のみで勤務できるため、ワークライフバランスを重視したい医師にとっては魅力的な選択肢となります。
このように、勤務する施設の種類によって、小児科医の働き方や負担は大きく異なるため、自身のキャリアプランやライフスタイルに合わせて職場を選ぶことが重要といえるでしょう。
小児科医として働きながら生活とキャリアのバランスを取るために、以下の点に注意するとよいでしょう。
人員に余裕のある病院では、当直を専門とする非常勤医師を雇用し、常勤医の夜勤回数を減らす動きが広がっています。年収を維持しつつ働き方を調整したい場合は、このような施設を選択肢に入れるとよいでしょう。
育児や介護などで家庭の時間を優先したい時期には、救急輪番の少ない総合病院やNICUを持たないクリニックへの転職を検討するのも一つの方法です。年収は1~2割程度下がる可能性がありますが、夜勤なしの働き方を希望される方におすすめです。
当直明けに無理に外来や乳幼児健診を入れず、勉強会への参加や論文執筆などに時間を充てることで、専門医資格の更新に必要なポイントの確保や、さらなるキャリアアップの準備につなげることができます。
夜勤の負担は決して軽くありませんが、小児科医の収入を支える重要な要素でもあります。将来的に開業を考えている場合でも、若いうちに当直を通じて多くの症例を経験し、収入を増やすことで、開業資金の自己負担を抑えやすくなります。「いつ夜勤で収入を増やし、いつ負担を軽減するか」を計画的に考えることが、小児科医としての安定したキャリアを築く上で重要だといえるでしょう。
小児科専門医を取得すると、求人そのものの年収レンジが一段階上がります。例えば神奈川県川崎市の中規模病院求人では、専門医必須ポストの年俸上限が1,800万円に設定されています。周辺で募集されている「専門医不問」の同規模求人は上限1,500万円前後が多く、資格の有無だけで約300万円の差が生じています。
専門医手当は、公立病院でも民間クリニックでもおおむね年60~120万円がボリュームゾーンです。加算方式は施設により異なり、月額手当として支給する病院もあれば、基本年俸に上乗せして提示するクリニックもあります。とりわけ外来主体の無床クリニックでは、専門医資格を採用条件にして上限1,800万円を提示するケースが目立ちます。川崎市多摩区のクリニックでは週3~5日勤務で年収1,200万~1,800万円という条件が示されており、ワークライフバランスを取りながら高収入を狙える環境が整っています。
特定の専門領域の経験があると、さらに評価が上がります。夜間小児救急やNICU経験を持つ医師、あるいは心身症・発達外来を診られる医師には「週4日勤務で1,800万円クラス」のオファーが届く例が増えています。小児科は季節変動が大きい分、インフルエンザや喘息ピーク時だけ非常勤応援に入るといった柔軟な働き方が成立しやすく、複数クリニックを掛け持ちする医師の中には年収2,000万円を超えるケースも珍しくありません。
一方、資格を持たないまま年収を上げる手段は限られます。夜間当直や休日診療を増やしても上積みはせいぜい200万円程度で、専門医手当との差を埋めきれません。30歳前後で専門医試験に合格し、35歳までに専門領域の経験を積むというキャリア設計が、最小の時間投資で最大の収入効果を得る近道といえるでしょう。
資格取得後は、①専門医求人の検討、②週4日勤務や当直免除など働き方の交渉、③非常勤掛け持ちによる追加収入、という3段階で収益ポートフォリオを最適化すると、ライフステージに合わせて無理なく年収を伸ばすことが可能です。
小児科医の年収は、「キャリア段階」「勤務形態」「外来規模」「資格」の4つの要素が複合的に影響して決まります。40代の常勤医でもっとも多い年収帯としては、1,500万~2,000万円の求人が掲載されています。
一方で、2,000万円以上の年収を提示している求人は非常に限られているため、勤務医として目指せる年収の上限はおおよそ2,000万円前後と考えられます。年収2,000万円を超えるためには開業するか、複数のクリニックで非常勤として勤務する必要があるという現実が明確に示されています。
「若手」「中堅」「部長級」「開業医」のキャリアの段階ごとに、想定される年収レンジと収入を伸ばすためのポイントについて解説します。
この時期の基本給は、年700万円台にとどまる施設も少なくありません。そのため、夜間当直と非常勤アルバイトが年収を左右する重要な要素となります。月に3~4回の当直(1回あたり4~5万円)をこなせば、年間で150万~200万円の収入増が見込め、総額1,000万円に到達することも現実的な目標となります。
この時期にもっとも大切なのは、症例数を軽視しないことです。専門医試験では、手術や入院管理を含む50例以上の症例経験と学会発表が必須となるため、日中の研修枠で乳児健診や急性気道感染症の診療機会を逃さず、しっかりと経験を積むことが重要です。30歳前後で専門医資格を取得できれば、次のキャリア段階への土台が築けます。
小児科専門医の資格を取得すると、月額5万~10万円程度の資格手当が支給される施設が増えてきます。夜間救急の質を高め、T&A(トリアージアンドアクション)の判断を迅速に行うことで夜間診療の効率が向上し、出来高に応じた収入増も期待できます。
さらに、心身症外来やアレルギー外来といった専門領域の経験を積むことで、週4日勤務でも年収1,800万円クラスの求人に応募できるようになります。非常勤として新生児蘇生コースの講師を引き受けると月額5万~10万円の副収入が得られるだけでなく、指導医としての単位も獲得できるため、見逃せない選択肢です。
病床を有する総合病院の部長ポストやNICU(新生児集中治療室)のセンター長は、管理職手当と成果連動型のボーナスが報酬を押し上げる要因となります。例えば、40床規模のNICUで平均在院日数を1日短縮できれば、年間で4,000床日分の病床利用が増加し、病院全体のDPC(診断群分類包括評価)係数の改善につながります。このような経営指標を理解し、看護部門と連携してPDCAサイクルを回せる医師は、年俸交渉で100万~200万円の増額を引き出すことも可能になります。
加えて、日本周産期・新生児医学会の指導医や小児診療初期対応(JPLS)インストラクターなどの教育関連資格を持つと、学会からの補助金や外部講師料を得やすくなります。家庭との両立を図るためには権限委譲が不可欠であり、夜間の呼び出し体制を常勤医2名+非常勤医2名でローテーションするなどの工夫を凝らすことで、働きすぎず高収入を維持することが重要です。
勤務医としての年収の上限を超えたい場合、もっとも現実的な選択肢の一つが、駅近などの利便性の高い場所に無床のクリニックを開業する道です。モデルケースとして、都市近郊のベッドタウンで外来患者、ワクチン・健診を順調に獲得できた場合、収益差額として3,000万円台は十分に見込めます。
開業医として成功するポイントとして、以下の3点が挙げられます。
一方で、児童数が減少傾向にあるエリアで開業した場合、外来患者数が伸び悩み、年収が1,500万円台にとどまるリスクもあります。そのため、開業を検討する際には、地域人口動態と競合クリニックの動向を詳細に分析することが不可欠です。
勤務医としてのキャリアには上限があるという現実を正しく認識した上で、専門医資格の取得、サブスペシャリティの習得、そして経営に関する知識の3つの要素を段階的に積み上げていくことが重要です。小児科医として収益を最大化し、同時に家庭や学術活動とのバランスを取るための最適な道といえるでしょう。
「どの年齢でどのような能力を伸ばすか」を早い段階で計画し、収入とスキルの両面から高く評価される医師を目指しましょう。
勤務医として得られる年収は上限2,000万円前後ですが、無床クリニックを開業すると3,000万~4,000万円も視野に入ります。診療時間・休診日・スタッフ構成をすべて自分で決められるため、子どもの行事や学会発表に合わせてスケジュールを調整しやすい点が大きな魅力です。
夜間当直で体力を削りながら収入を補う勤務医生活と比べると、働く時間を選びながら収益を最大化できるという点で、開業は小児科キャリアのゴールポジションといえるでしょう。
勤務医として症例を積み、専門医手当と夜勤手当で資金を蓄えるフェーズは確かに重要です。しかし、収入と働き方の両面で天井を押し上げる効果的な方法は開業であることも事実です。もし「将来はもっと自由に働きたい」「家族との時間を増やしながら収入も伸ばしたい」と考えるなら、早い段階で開業準備を始めるほどリスクを低減できます。
日本調剤では、開業物件や資金計画の提案、診療圏調査やスタッフ採用の支援など、クリニック開業に関する手厚いサポートを提供しています。開業後のサポートも行っているので、ぜひ一度お問い合わせください。
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