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専攻医の年収は?相場との比較・アップ術を解説
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2025.11.06 2025.11.06
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専攻医は、2018年の新専門医制度により「後期研修医」から名称が変更されました。本記事では、公的統計や現場アンケートを参考にリアルな年収レンジを明らかにし、年収を上げるために重要な勤務先の選び方・当直アルバイトの活用法について解説します。
医師国家試験に合格後、2年間の初期臨床研修を終えた医師が、専門医取得を目指して3〜5年間の「専門研修プログラム」に従事する段階が「専攻医」です。2018年の新専門医制度開始に合わせて呼称が「後期研修医」から変更されました。
専攻医は外来・病棟診療や当直を担当しながら症例経験を積み、専門医試験の受験に必要な要件(症例数・講習・学会発表など)を満たしていきます。診療責任も処遇も初期研修医より大きい点が特徴です。
従来の後期研修は施設ごとにプログラムや評価方法がばらつき、質の均一化が課題でした。日本専門医機構の設立とともに2018年4月から新専門医制度が始まり、統一プログラム制の導入とともに名称が「専攻医」に変更されました。
専攻医期間は多くの基本診療科で3年、外科系や小児科など一部では5年を要します。定められた症例数・学術要件を達成すると専門医試験の受験資格を取得し、合格後に「専門医」として認定されます。
専門医取得後は大学病院、民間病院の専門医ポスト、留学・研究など幅広い選択肢が開けるため、キャリアの基盤を固める重要な段階です。
専攻医の募集から採用までは、例年次の流れで進みます。
正式な日程は毎年秋頃に日本専門医機構が公表します。最新情報は、日本専門医機構の公式Webサイトで確認してください。
応募は「1専攻1施設」に限られ、マッチング後の辞退や変更は原則不可のため、研修内容・給与・立地などを慎重に比較検討したうえでエントリーする必要があります。
本章では、公的統計と現場アンケートの両面からデータを突き合わせ、実際のデータから年収を分析しながら、リアルな専攻医の年収レンジについて解説します。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、医師3年目(専攻医1年前後)の時給平均値は5,563円です。所定労働160時間で月額約89万円、年換算では1,068万円になります。医師5年目の時給平均値は、5,825円となっています。月額で約93万円、年換算で1,118万円です。
ただし、上記の金額はあくまで所定内賃金のみを年ベースに置き換えたモデル値で、当直手当などは含まれません。また、給与水準の高い私立病院の給与も含まれている点にも注意が必要です。
専攻医の給与は、同じ診療科・卒後年数でも病院の開設主体によって大きく異なります。
東京保険医協会が都内32病院を対象に行った調査では、月額基本給の平均が私立病院43万7,917円、国公立病院38万7,100円、私立大学病院27万900円、国公立大学病院22万8,000円と報告されています。私立病院は国公立大学病院の約1.9倍の水準となっています。
さらに、医師の賞与は年2回で基本給の2〜4か月分が支給される例が多いことから、私立病院の場合は概算年収が600万〜700万円、国公立大学病院では320万〜360万円程度になると試算できます。賞与を含めても国公立の大学病院は私立病院より大きく見劣りします。
このように、「私立か大学か」「国公立か民間か」という病院区分は、専攻医の年収を決定づける要因といえます。待遇面を重視するなら、求人票では基本給だけでなく「賞与月数」や「当直・アルバイトの可否」を必ず確認し、複数の病院を比較検討することが大切です。
東京保険医協会のアンケートは都内32病院の専攻医を対象に「月額基本給」のみを集計しています。残業手当・住宅手当・時間外手当は別項目として扱われ、集計表には反映されていません。 また、都内の研修病院を対象にアンケートが行われたため、高給水準の私立クリニックや都市型民間病院が少なかったことが考えられます。その結果、公的データで見たモデル年収の約1,000万円とは大きな開きが出たと推測されます。 当直手当や非常勤バイトを上乗せしても、実勢の年収ゾーンは、おおむね600万〜850万円前後に集約されるでしょう。
医師の給与は卒後年数やキャリアの段階を経て着実に上がる傾向があります。厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の時給データを160時間/月で換算すると、下表のような年収の目安が得られます。
初期研修医の時給は5,081〜5,444円です。月給ベースでは80万円台前半となり、ここに基本的な時間外手当や宿直手当が加わります。 厚労省の時給データを単純年換算すると1,000万円前後に見えますが、実際の年収は 450万〜550万円前後が一般的です。大学病院勤務の場合は300万円台後半にとどまる例も多く、統計値との差が大きい理由は「基本給が低い」「賞与が少ない」「当直回数が制限されている」ためだと考えられます。
専攻医になると時給が5,563〜5,825円に上昇し、月収は90万円前後に達します。初期研修医より月額でおよそ3万〜8万円アップする計算です。
基本給が上がるだけではなく、専攻医になると当直や非常勤バイトもこなしやすくなります。そのため、年収は600万〜850万円程度に伸びます。私立病院や市中病院では上限寄り、大学病院では下限寄りに収束する傾向があり、週1回の当直(1回5万円)を月4回行えば年間約240万円の上乗せが見込めます。
専門医資格を得て卒後10年前後になると、時給は6,544円に増加します。月収モデルは約105万円、所定内賃金だけで年1,250万円超となります。 卒後10年程度では1,000万〜1,400万円が年収のボリュームゾーンとなります。急性期病院の年収の高い診療科に勤務し、役職手当や手術インセンティブが付くと1,500万円超も珍しくありません。ただし労働時間や当直負担も増えるため、年収だけでなくワークライフバランスとの兼ね合いを見極めることが重要です。
医師の年収は「どこで働くか」「どれだけ当直に入るか」「どの診療科を選ぶか」の三本柱で大きく変わります。
基本給を左右する病院の経営主体に加え、当直手当やアルバイト収入の有無、診療科別の年収相場が組み合わさるため、同じ卒後年数でも数百万円の差が生じる場合があります。以下では、この3要素が具体的にどのように年収へ影響するのかをデータと事例を元に解説します。
東京保険医協会が都内32病院を対象に行った調査によると、専攻医の平均月給は民間病院で約43万8,000円、公立病院で約38万7,000円、私立大学病院で約27万1,000円、国立大学病院で約22万8,000円でした。民間病院の水準は、国立大学病院のおよそ1.9倍に達しています。
賞与を年2回・基本給の2〜4か月分と仮定すると、民間病院勤務の専攻医では年間総額がおおむね600万〜700万円、国立大学病院勤務では320万〜360万円程度になると見込めます。
年収のベースとなる月給を底上げしたいなら、大学病院主体のキャリアを続けるよりも市中の民間病院へ転籍する方が早道です。とくに300床未満の地域中核病院は、教育体制を維持しつつ処遇を改善したい専攻医に適しているでしょう。
勤務先を選ぶ際は「基本給」「賞与月数」「当直手当」「アルバイト可否」の4項目を確認し、年収シミュレーションを行うことをおすすめします。
求人サイトに掲載されている情報を参照すると、定期当直の相場は1回 3.5万〜7万円でした。病床規模が小さい民間病院ほど高単価です。
高額スポット当直の例
月4回の定期当直(1回5万円)だけでも年+240万円。高額スポットを年6回こなせばさらに約70万円の上積みが可能です。勤務先の基本給が低くても年収の引き上げにつながります。
当直は、回数×単価でダイレクトに年収へ反映されます。月4回の定期当直(5万円/回)で年+240万円、さらに年6回の高額スポット(平均11万円/回)を組み合わせると年+300万円が見込めます。ただし、体力的負担とワークライフバランスを考慮し、健康管理や翌日の勤務負荷に注意しながらスケジューリングすることが重要です。
JILPTが2012年に実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」にて報告されている診療科別の年間給与を比較すると、約1,080万~1,480万円まで幅があります。外科系や分娩・手術を多く扱う科ほど高水準で、デスクワーク比率が高い科や夜間対応が少ない科は相対的に低めです。
上記の内容から、夜間・救急対応の多さと手術が年収を押し上げる主要因であることが読み取れます。
小児科や救急科は社会的需要が高いものの、給与は中堅(1,220万~1,215万円)にとどまります。公立・大学病院の比率が高いためだと考えられます。
将来的に専門医資格を取得しても、診療科の選択により300万円以上の差が生じるため、興味だけでなくライフスタイルや収入目標も踏まえて進路を検討するとよいでしょう。
将来の年収アップを見据えて、今の専攻医段階から取り組める3つのステップを押さえておきましょう。
それぞれの内容について解説します。
専攻医の基本給は病院の経営主体によって大きく異なります。東京保険医協会の調査では、私立病院の平均月給が約43.8万円、国公立は約38.7万円、私立大学病院は約27.1万円、国立大学病院は約22.8万円でした。
私立病院に移るだけでベースが10万〜20万円上がり、賞与(基本給の2〜4か月を想定)を含めれば年間200万〜300万円のアップになります。収入アップを急ぐなら、民間・市中病院を中心に求人を比較し、教育体制や症例も合わせてチェックしましょう。
当直は、回数×単価が年収へ直結します。定期当直の相場は3.5万〜7万円/回で、300床未満の民間病院ほど高単価です。
都内クリニックのオンコール待機では11.5万円/回、静岡県下田市の2日通し当直は24万円/回の求人例もありました。月4回(1回5万円)なら年+240万円、高額スポットを年6回入れればさらに約70万円上積みできます。体力の負担とのバランスを見つつ、曜日固定よりも高単価スポットを組み合わせると効率良く収入を伸ばせます。
専門医の取得後に年収を上げるのであれば、転職という選択肢も視野に入れることをおすすめします。
転職面談では「希望額→根拠→代替案」の順で整理して伝えると説得力が高まります。具体的には ①希望年収と理由(症例数・資格・地域相場) ②当直回数や業務範囲の上限 ③譲れない条件と譲歩可能な条件を事前に整理し、面談資料として提示するとスムーズです。
交渉のタイミングは「最終面接の前」が効果的です。決定通知後の上積み交渉は失敗することがあるため注意しましょう。キャリアエージェントを介した第三者交渉も有効なので、交渉経験が少ない場合は活用を検討しましょう。
専攻医の収入は「勤務先の選択」「当直・アルバイトの活用」で大きく変わります。大学病院から民間病院へ転籍すれば基本給と賞与が底上げされ、月4回程度の当直や高額スポット勤務を組み合わせれば年収を850万円前後まで上げられます。
専門医取得後に将来の開業を検討している場合は、専攻医の段階から安定したキャッシュフローを築くことが重要です。日本調剤では、物件選定や資金計画、診療圏調査からスタッフ採用まで開業準備を総合的に支援していますので、ぜひお問い合わせください。
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