
クリニック開業の基礎知識
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医院開業コラム
クリニック経営が成功するかどうかは、立地条件で決まるといっても過言ではありません。そのため、自院のコンセプトやターゲットを踏まえつつ、効率的に集患できる場所で開業する必要があります。
しかし、どのような場所で開業すべきか迷ってしまい、思うように開業準備が進んでいない先生も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、クリニックの開業場所を決めるまでの流れを紹介しつつ、場所選びのポイントや物件の種類について解説します。
クリニックの開業場所を決める場合、エリアの選定や絞り込み、融資申し込みや物件の契約手続きといった複数のプロセスを踏む必要があります。各プロセスの詳細を流れに沿って解説するので、きちんと押さえておきましょう。
「どこで開業するか」ということは、クリニック開業をするにあたって重要なポイントの一つです。現在は様々な情報がインターネット上などに溢れています。インターネットを使って情報収集をするのは悪いことではありませんが、物件情報にいきなり目をやるのは効率的ではありません。
具体的な広さや賃料、写真などを見てイメージをつくることは大事なことです。しかしもっとワイドに、どのエリアで開業するかを考えてみましょう。立地の良し悪しはクリニック経営において非常に重要です。いくら最新の医療設備を入れたとしても、立地が悪ければ患者さまの足が遠のき、経営が成り立たない恐れがあるためです。立地条件に恵まれていて、患者さまにとって通いやすいエリアかどうかで絞り込んでいきましょう。
交通面で手軽に通えるクリニックであれば、何か体調面で不安なことがあれば、すぐに診察に来てもらいやすくなり、リピーターの獲得につながっていきます。多くの患者さまが来ることを見込めるかどうかは、クリニック経営の成否のカギを握っています。
クリニック開業をするエリアの絞り込み方法として考えるのは、まずは人が集まってきそうな場所かどうかです。駅や公共施設、近年ではショッピングセンターなどが近くにあると人の往来が比較的多くなります。人の流れが活発であれば、クリニックに立ち寄ってもらえる可能性も高まります。その他には競合する医療機関の有無をチェックすることも重要です。
さらに不動産業者や地域住民の生の声も聴いてみると良いでしょう。例えば街の活気などのムードはどうか、どのような年齢層の人が街中を歩いていることが多いかなど、地に足のついた情報はインターネットで収集するのには限界があります。生の声とインターネットを組み合わせると、現実に即した精度の高い情報を集められます。自分の力だけで情報収集するのが難しければ、開業支援を行っている会社に依頼するのもおすすめです。もちろん当社もそういったサービスを提供しております。
クリニック開業のためのエリアが決まったら、個別の物件の比較に入りましょう。賃料が適当か、診療するにあたって十分な広さが確保できているか、初めての人でも迷うことなくアクセスできるような分かりやすい場所かなどを比べてみます。
また駅などから少し離れているのであれば、敷地内もしくは近隣に駐車場があるかもチェックしておきたいところです。駐車場があれば、マイカーで診察に訪れる患者さまが通院しやすくなります。
他にも水回りや空調の配管に問題はないか、大型の検査機器を導入しようと思っているなら対応する電源が確保されているかなど、診療科によって色々と条件が出てきます。ただ、医療モールのように当初からクリニックを前提として企画されている物件であれば、そのような条件はクリアされているため安心できるかと思います。
物件が決まったら、クリニック開業に関する事業計画を立てた上で、物件取得や経営のために必要な資金を調達します。エリアや診療科にもよりますが、トータルで数千万円から数億円前後かかることも珍しくないため、金融機関の融資を利用するケースが一般的です。
ただし、融資の審査をクリアするためには、ある程度の自己資金も必要です。少額の自己資金で申し込める融資もありますが、より綿密な事業計画の提示を求められるので、審査のハードルは高くなります。
資金調達のめどが立ったら、物件の契約手続きを進めます。特にテナントを定期借家契約で借りる場合、契約期間・引き渡しの時期・費用発生のタイミングなど、契約内容をきちんと確認することが重要です。
定期借家契約に関しては、契約期間を10年以下に設定するケースが見受けられますが、双方の合意により期間を柔軟に設定することも可能です。将来的にクリニックの医療法人化を目指している場合、長期間賃借契約の継続が求められるため、契約期間の延長について交渉すると良いでしょう。
物件の選定~契約~内装工事までのプロセスは、想定より時間がかかる可能性もあります。そのため、開業予定日に間に合うよう、スケジュールに余裕を持って準備を進めることも大切です。
もしスケジュールに遅延が発生した場合、業者やスタッフとの調整を図ったり、開業が遅れる旨を告知したりする必要が出てくるので、余計な手間がかかってしまいます。
クリニック開業の場所選びでは、以下の3つのポイントが重要です。
• 医院コンセプトに合った場所を選ぶ
• 事前に綿密な調査と分析を行う
• 近くに薬局があるか確認
各ポイントの詳細も解説するので、事前に把握しておきましょう。
自院にとってベストな場所で開業するためには、医院コンセプト(診療方針や経営理念)を踏まえて検討することが大切です。想定する診療スタイルや専門性をもとに、ターゲットとなる患者さまを集められるか、物件の仕様が適しているかといった点を確認しましょう。
一般的な好立地が必ずしも自院に合うとは限らないため、あらかじめ注意が必要です。
1日の推定来院患者数や診療科のニーズを把握するためには、開業するエリアを徹底的に調べることが大切です。診療圏調査や競合クリニックのチェックはもちろん、実際に現地まで足を運んで、自分の目で確かめることも重要になります。
現地調査の際は開業場所周辺のロケーションだけではなく、地域住民の生活動線や物件の視認性、交通アクセスの良しあしなども確認し、自院との相性を判断しましょう。綿密な調査・分析は自力では難しいため、専門家に依頼するのがおすすめです。
薬の処方方法は「院外処方」と「院内処方」の2種類に分かれますが、一般的な医療機関での主流は前者です。院外処方は在庫リスクが発生しない、診療に集中できるといったメリットを享受できる一方、基本的に患者さま自身に調剤薬局まで出向いてもらう必要があります。
院外処方を採用する場合、患者さまの利便性を考慮して、開業場所の近くに薬局があるかどうかもチェックしたいところです。現地調査に行ったら、薬局までのルートも確認しましょう。
クリニックと一口にいっても多種多様ですが、物件は大きく分けて以下の3種類があります。
• 戸建て(土地+建物)
• ビルテナント
• 医療モール
それぞれ概要やメリットを解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。
戸建て(土地+建物)
戸建て開業には、以下のような複数のパターンがあります。
• 土地を購入して建物を新築する
• 土地だけ借りて建物を新築する
• 土地と既存の建物をセットで借りる
• 建て貸し(土地のオーナーが建物を建設し、土地と一緒にその建物を借りること。
戸建ては周囲から独立していることもあり、内装デザインの自由度が高く、医院コンセプトや院長のこだわりを反映しやすい点がメリットです。その代わり、開業準備に時間がかかってしまいます。
一方、初期費用が高くなる場合が多い、集客施設の近くなど人が集まる好立地に物件を建てづらい、といったデメリットがあります。
ビルテナント
ビルテナントで開業する場合、ビルの立地条件はもちろん、物件のある階数や医療機関に適した仕様かどうかも確かめる必要があります。これらの要素は集患に大きな影響をもたらすため、診療科や患者層を踏まえてチェックしたいところです。
また、ビルテナントは初期費用や建物の維持管理コストが安い、移転・撤退しやすいというメリットがある一方、内装デザインの自由度が低い、電気容量や水圧の制限を受ける可能性がある、というデメリットもあります。
医療モールは複数のクリニックが1ヶ所に集まって開業するので、モール自体が医療のランドマークとなります。他院との相乗効果で集患しやすい上、ビルテナントと同じく初期費用や建物の維持管理コストを抑えやすい点もメリットです。
また、モール内に調剤薬局がある、他院・他科との連携がしやすいというメリットもあります。
クリニックの開業場所に絶対的な正解はなく、自院の診療科やコンセプト、ターゲットとなる患者さまの年齢層やニーズによって変動します。そのため、開業場所を決める際の流れや物件の種類を押さえた上で、じっくり時間をかけて検討したいところです。
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