就業規則を作成した後に行うことが3つあります。

●1つめは、スタッフの過半数を代表する者を決めて、その人に意見書を書いてもらうこと。
同意を求めるものではなく、あくまでも代表者の意見を聞けばよいことになっています。

●2つめは、作成した就業規則にスタッフ代表者の意見書を添えて、労働基準監督署に届け出ることです。
一部は労働基準監督署に提出し、もう一部はクリニックの控として表紙に労働基準監督署の受理印を押してもらい、返却してもらいます。なお、10人未満の事業所は、届出義務はありません。届出しない場合は、スタッフ代表者の意見書は不要ですので、スタッフ代表者を決める必要もありません。もちろん義務はなくても届出することに何ら問題はありません。

●3つめはスタッフに周知すること。
せっかく就業規則を作成しても、机の奥深くにしまっていたのでは意味がありません。皆がいつでも見ることができるような状態にしておく必要があります。

就業規則はクリニックのルールですから、スタッフの理解を深めるためにも説明会などを開催するとよいでしょう。また、新たに人を採用する時、手続きとともに就業規則の説明を行い、双方でルールを確認することをお勧めします。そして、入職時の雇用契約書や誓約書などに就業規則の説明を受けたこと、そして規則を遵守するという文言を入れ、署名・押印をいただくとよいでしょう。

明確なルールをつくることでクリニックを守ることと、スタッフに意識づけをすることが可能になります。そのためには、つくったルールは院長先生とスタッフ双方で守ること大切です。
お互いにルールを守ることは信頼関係を築くことでもあります。

活きたルールブックとして就業規則を最大限に活用するために、開業前にご自分のクリニックのあるべきルールをじっくりと考えてみてください。