医院開業コラム
前回のコラムでは、Calooに掲載されてきた「口コミデータ解析結果」についてお伝えしましたが、今回のコラムでは「ネガティブ口コミの対策」についてご覧いただきたいと思います
ネガティブな口コミの内訳
ネガティブな口コミがついてしまう原因は何でしょうか。弊社調べによるとその内訳は「医師の対応:38.39%」、「診療内容:23.56%」、「受付・看護師の対応:20.13%」「待ち時間:17.27%」の4項目が大部分を占めていることが分かりました。
つまり、これらの項目に対して意識的に取り組むことでネガティブな口コミの対策となります。
来院の決め手となる口コミ、来院を躊躇させる口コミ
では、実際に来院を決める際に参考にされる口コミはどのようなものでしょうか。「来院する事を決めた口コミはどのような内容の口コミですか?」というアンケートを行うと、約70.8%の方が「診察・治療の質」に関する口コミを参考にしているという結果が得られました。
また、「来院をやめた口コミはどのような内容の口コミですか?」というアンケートを行ったところ、約56.7%の方が「診察・治療の質」に関する口コミを参考にしているという結果が得られました。
この結果から「診察・治療の質に対する口コミ」は集患に大きく影響することが分かりました。
※アンケートの対象:226名
診察・治療の質」に対する満足度を上げるには
アンケート結果を踏まえると「診察・治療の質」に対する満足度を上げ、この点についてポジティブな口コミを集めることが重要であることが分かります。「診察・治療の質」についてXクリニックに対してネガティブな口コミを投稿したAさん、Bさん、Cさんの例を見てみましょう。
Aさんは「先生の診察時間はとても短いので、症状に不安が残るまま帰りました」という口コミを投稿しました。
Bさんは「何度も通っているクリニックなので薬だけでいいのに、待ち時間が長く、診察も長い。」という口コミを投稿しました。
Cさんは「希望とは違う診察をされた。」という口コミを投稿しました。
Aさんの口コミだけを見ると時間をかけてじっくり診察することが改善策に思えますが、Bさんの口コミを見るとその逆の対応が正解のように思えます。
A,B,Cさん全員の問題を解決するためには患者さん一人一人のニーズを知る必要があります。
ニーズを的確に把握するための解決方法
では、ニーズを的確に把握するためにはどのような手段があるのでしょうか。
「予約システム」「問診システム」が解決策となり得ます。
予約システムを使って、患者さまのニーズを把握するには予約枠が異なる診療メニューを設けることが有効的な方法となります。
例えば、「結果だけを希望」というメニューを設け、診察時間は5分で設定、「時間をかけて診察を希望」というメニューを設け、診察時間は10分で設定いたします。こうすることで先ほどの例で言えば、Aさんは後者、Bさんは前者のメニューを予約することでニーズにあった診察をすることが可能となります。
問診システムを使って、患者さまのニーズを把握するにはシンプルですが、診察に対するニーズがわかる設問を追加することが有効な方法と言えます。
例えば、「最も不安な点を教えてください」、「ご希望の診療メニューをお選びください(選択式)」という設問です。
このように事前にニーズを把握し、それに合った診察をすることで「診察・治療の質に対する口コミ」対策となり、ひいては集患対策となります。
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