医院の患者さまには2種類いらっしゃいます。
「『新患』の患者さま」と「『再診』の患者さま」です。
医院を安定して経営していくためには、「新患」と「再診」の両方の数を、少しずつでも増やしていくことが大事です。そして今回特にお伝えしたいのが、「『新患の患者さま』を安定して確保していくことの大事さ」です。
改めて言うまでもないですが、「新患」とは「初めて来院される方」の呼称です。そして、来院したことがあり、「この医院はまた来たい」と思っていただいた方が、「再診」の患者さまに変わっていきます。開業してしばらく経つと、どの医院も再診の患者さまが積みあがっていきます。
この段階になったとき、「再診」の患者さまがずっと来院してくれればよいですが、患者さまも気の変わりやすいもので、「他にも良いクリニックはないかな」とか「近くに別のクリニックができた」等という理由で、一定の割合で他のクリニックに流れていきます。
そのため、患者数を安定して確保するためには、この「他院に流出する再診の患者さま分を『新患』の患者さまで補っていく」ことが必要になるのです。
科目によって違いはありますが、患者数が安定している医院の新患率(=新患患者数/総患者数)は、おおよそ8%~15%が目安になります。月の総患者数が2000人なら、その内新患は200人から300人ということです。月の診察日数を20日とすると、1日10人~15人は新患の患者さまになります。
つまり「1日10人~15人の新規のお客様を毎日集め続ける」、この発想を持つことが大切です。
一般のビジネスにおいて、新規客を毎日これだけ集めることは大変です。
集めるためには、広報活動や販促といった「集客活動」が欠かせません。
クリニックの経営においても同様のことが言えます。情報発信や告知をいかに行っていくかがクリニック経営安定のために大切です。
世の中には様々な告知方法がありますが、効果が高く期待できる手法は決まっています。予算・人が有り余っているなら様々な方法を実施すればよいですが、現実はそうはいきません。効果を期待できる方法を取捨選択し、経営資源(お金や院長・スタッフの時間)を集中投下するべきです。
第2回のコラムでもお伝えしましたが、医院の「ホームページ」は絶対につくりましょう。インターネットやスマートフォンが普及し、患者さまの行動は10年前から大きく変わりました。今では60歳くらいのシニアと呼ばれる方も、「何か困ったら、とりあえずスマートフォンで検索」する時代です。新患の確保は、これからは「ホームページ」が主役と言えます。数ある集患手法において、「絶対に抑えるべき」と断言できるのがホームページなのです。
ただ、ホームページ制作会社を決める際に迷う先生も多いと思います。「とりあえず安いホームページでもいいから作ろう」と考える先生もいますが、新規開業される場合、新患確保が何よりの肝ですから、ある程度しっかりと費用と手間を掛けて、『患者さまが来たくなるホームページ』を作ることを重視していただきたいと思います。
クリニック向けにサービスを提供している、ホームページ制作会社は和多くあります。月額数万円を2年間契約で払う、という定額制の会社から、初期製作費用が数十万円でその後はサーバメンテナンス費用数千円の保守契約だけ、という会社など様々です。費用の支払い方法の違いですので、どちらの契約内容が良い、ということは一概には言えません。
それよりも、「集患に繋がるホームページを作りたいのだけれど…」と相談して、その会社が過去に制作したホームページを事例として紹介しながら、「集患につながる」ためのコンテンツやデザインをしっかり提案してくれるかどうかで依頼する会社を選んでいただきたいと思います。
まとめ
改めてお話をおさらいすると、
(1)患者数の安定のために、「新患」は常に確保し続けることが必要
(2)「新患」を確保し続けるために、まずは「ホームページ」を作ろう
という2点が今回お伝えしたかったことです。