クリニックにおける労務管理

(12)約束はお互いに守る「総則」~就業規則Ⅲ~

提供オフィスハーモニー社会保険労務士事務所 森谷路子氏 http://office-harmony.jp/ コラム提供者のアイコン

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就業規則を作成する時に、基本となることは次の3つになるでしょう。

1.就業規則をつくる目的
2.院長の理念
3.スタッフに求める働き方

これら3つは、クリニックの経営や労務管理に密接にかかわってきますので、開業前にじっくりと考え、ご自分のスタイルを見つけてください。

 「就業規則をつくる目的」は院長先生によって異なります。
「スタッフが安心して働くことができる職場環境をつくりたい」、「労働トラブルを避けたい」などが例えとしてあげられます。最初に目的を明確にすることによって、作成途中のブレや方向性の逸脱などを防ぐことができます。

 次に、「院長の理念」を明確に、分かりやすく明記すること。
誰が見ても分かる表現で、出来るだけシンプルにするとよいでしょう。

 この「目的」と「理念」は、就業規則の最初の「総則」で、しっかりスタッフに伝え、理解してもらいます。そして、定めたルールはクリニックもスタッフも双方が守るべきものであるということを明確にします。

 「スタッフに求める働き方」については、労働時間や休憩、休日など、法律で定められている事項にもその視点を盛り込むことができます。例えば、始業時刻について、単に始業時刻9時と定める就業規則が多いですが、タイムカードの打刻が9時であればよいと考えるスタッフがいるケースもあります。出勤が9時であれば、身支度をし、実際に仕事をスタートするのは、始業時刻を過ぎてからになるでしょう。そのようなケースを回避するために、「始業時刻とは、自分の持ち場で実際に業務を開始する時刻のことである。」と明記することもできます。始業時刻の捉え方を定めることによって、違反行為を抑制することにもつながるのです。

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