税理士による医院開業にまつわるコラム

(8)贈与税について

提供税理士行政書士事務所 みうら会計 三浦 康弘氏 コラム提供者のアイコン

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平成27年1月1日より相続税が大増税となったことから、メディアでも取り上げられることも多くなり、生前贈与による節税についてのお問い合わせが増えています。実は相続税が増税となる裏で、限定的ではありますが
贈与税が減税となりました。購買意欲のある若い人にお金を使ってもらい経済を活性化しようという政策的意図ですが、今後はこれが先生方のご開業にも影響してくるかもしれません。

今まで開業資金は自己資金はもとより、金融機関からの融資やリース、またはご親族からの借り入れという方法が一般的でした。そこに一部、現金贈与を組み込んでみてはどうかというお話です。

今回は贈与税の簡単な概要と、今回の税制改正による減税について解説いたします。

贈与税は、その年に贈与を受けた財産に対して課税されます。
その年とは、1月1日から12月31日までのことです。

この期間に受けた財産を合算して、基礎控除(年110万円)を引いた金額に
税率をかけて贈与税を計算します。
例えば、平成27年3月に父から100万円、5月に母から100万円の贈与を受けた
としますと、
{(100万円+100万円)-110万円} × 10% = 9万円 となります。

ポイントは、複数人から贈与を受けた場合、それぞれに贈与税率をかけるの
ではなく、その年に受けた財産額を合算してから計算するというところです。
それぞれ贈与を受ける都度、贈与税がかかるわけではありません。
また、贈与者(今回の例では父、母)ごとに基礎控除110万円が使えるわけ
でもありません。

加えて、上記のように税率が一律10%であればよいのですが、贈与を受けた
財産の額が大きくなればなるほど税率が高くなります。
そのため、贈与を受ける額が決まっているのであれば、1年で贈与を受ける
より複数年で受けた方がトータルの贈与税は安くなります。


控除額は、先ほどの計算式から求めた贈与税額から引きます。
それぞれの段階で、前の段階の金額を超えた分にだけ高い税率を課税するために控除額を設けています。

注目していただきたいのは、一般の税率よりも「20歳以上のものが直系尊属から受ける贈与」の税率が優遇されていることです。

開業資金の全部というと贈与税の負担が重くなってしまうので、開業資金の一部
に充てたり、もしくは、開業を思い立ってから毎年少しずつ贈与を受けて貯めておくというのもいいかもしれません。

相続税対策と開業資金調達をからめて生前贈与を利用する一助となればと思います。

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