クリニック開業時に押さえておきたい労務管理のポイント

(1)求人・労働条件の設定

提供社会保険労務士法人FDL 代表社員/特定社会保険労務士 森山 幸一氏 http://moriyama-sr.com/ コラム提供者のアイコン

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第一回目は『求人・労働条件の設定』についてですが、労務トラブルが起こる最初のポイントは、求人段階であることが多いです。その要因は、十分な準備期間が取れないために、人材の選択が出来なかったり、求人に載せる情報と実際の労働条件に違いが発生し、不信感が起こることなどがあげられます。

求人段階において気を付けるポイントを下記の点で押さえて頂くことで準備がスムーズに進むと考えております。

(1)面接設定・研修開始までのスケジュールを押さえる
開業時期が決まると、その『4ヶ月前には労働条件等の検討』を行い、求人媒体の選定・求人掲載事項の打ち合わせ、『3ヶ月前に求人掲載』、『2か月前に面接、内定通知』をすることが余裕を持ったスケジュールになります。

(2)労働条件の設定
 求人段階で提示する労働条件が、雇用契約の重要な条件に繋がるため、下記の2項目を押さえて検討して頂きたいと考えています。

Ⅰ.定労働時間の設定
 クリニックの診療時間に対して、準備・片付け時間を診療時間の前後に含めた、所定労働時間の設定が必要となります。この設定において、『1ヶ月単位の変形労働時間制』と、職員10名未満の場合の『週労働時間44時間』を考慮すると、柔軟な労働時間の設定が可能となります。

Ⅱ. 給与水準の設定
 クリニックでは、開業する地域により、職種ごとに給与水準が決まってきます。人件費はクリニック経営に影響が大きいため、良い人材を採用したくても、他院よりも高い給与を提示することが難しい場合、掲載内容に工夫をして『固定残業手当10~15時間分』込みの月給を表示することや、『経験に応じて優遇』という形を取れば、給与面で他院と差をつけていくことが可能です。

上記のように、開業時における労務管理のスタートなる『求人』において、ポイントを押さえて準備を行うことは、労務管理がスムーズに運ぶことにつながります。

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