クリニック開業時に押さえておきたい労務管理のポイント

(12)キャリアアップ助成金の活用

提供社会保険労務士法人FDL 代表社員/特定社会保険労務士 森山 幸一氏 http://moriyama-sr.com/ コラム提供者のアイコン

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 クリニックを開業し、職員を雇用した場合に、厚生労働省が行う雇用関係の助成金というものがあります。この助成金は返済不要ですが、数が40種類程度あり、それぞれにその目的にあうものを自分で見つけないと申請ができないというものです。数多くある助成金の中で、開業時もしくは新しい職員を雇用する際に、活用しやすいのが『キャリアアップ助成金』なのです。

 『キャリアアップ助成金』の内容は、6ヶ月以上雇用している『有期契約職員』を『正規雇用』か『無期雇用』に転換し、雇用を継続することが必要となります。
助成金の金額は、『正規雇用(57万円/名)』、『無期雇用(28.5万円/名)』となっています(平成30年度基準)。
この助成金の申請は、転換後に6か月以上雇用しその分の給与が支払われた日から可能となります。

 助成金を活用するためには、開業時に、最初の契約を『有期雇用契約』(6か月の有期雇用契約か、3か月の試用期間+3か月の有期契約)とし、その後『無期雇用(期間の定めの無い契約)』へする雇用契約で申請要件の一つを満たすことができます。

 申請要件の他の大きな要件は、以下の通りです。
 ・転換前の6か月と転換後の6か月の賃金総額を比較して5%以上増額していること。
  比較する賃金には、通勤手当、時間外労働手当、歩合給等などは除外されます。
  (5%以上の増額は賞与支給により実現でも良い)
 ・解雇等の会社都合退職が無いこと(転換日の前後6ヶ月)
 ・転換日までに、労働局(ハローワーク)への計画届を提出していること
 ・転換日までに、就業規則に転換制度を導入し、周知していること
 ・雇用契約書、賃金台帳、出勤簿などの届け出書類を整備していること 等

 助成金申請には上記の他にも細かい要件が数多くありますが、事前に確認しておけば、多くの要件はクリアできます。
 クリニック開業時には、職員の雇用関係で、多くの投資(求人募集・研修等)が必要となりますので、その一部でもキャリアアップ助成金のような形で、回収して頂きながら、クリニックの経営安定を図って頂ければと考えております。

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