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外科医の年収はどこまで伸びる? 平均年収・労働時間・資格との関係性

外科医の年収はどこまで伸びる? 平均年収・労働時間・資格との関係性

外科医は医師全体の中でも高収入が期待できる一方、週60時間近い長時間労働や当直・オンコールに追われる過酷な現場を担う職種です。

 

勤務医の平均年収は1,374万円と脳神経外科、産婦人科に次ぐ高収入ですが、同じ外科医でも開業に踏みきれば平均2,352万円、戦略次第では3,000万円以上の年収が可能です。

 

本記事では、公的統計と最新求人データをもとに「勤務医」「中堅・医長」「部長級」「開業医」それぞれの年収と伸ばし方を検証し、専門資格の取得やキャリア選択が収入にどう直結するかを提示します。

科医としてのキャリアの到達点を描く上で、最終的に開業を選ぶメリットとリスクまで解説しますので、将来設計の指針としてぜひ参考にしてください。

目次

外科医の平均年収

外科医の年収は医師全体の中でも頭ひとつ抜けています。勤務医の平均年収が1,374万円に対し、開業医では年間損益差額が平均2,352万円。さらに手術件数を増やしたり自由診療を組み合わせたりすれば3,000万円超も十分に射程圏内です。

勤務医と開業医それぞれの年収相場を示し、数字の裏にある働き方や要因を整理します。

 

勤務医の年収

2011年に実施された、JILPT「勤務医の就労実態と意識に関する調査」では、外科勤務医の平均年収は1,374万円でした。内科より100万円以上高く、脳神経外科・産婦人科に次ぐ上位水準に位置しています。

この背景には「手術手当や時間外手当の加算」や「週52.5時間という長時間労働」といった要因があり、同調査でも外科医の週60時間超の労働比率は43%を占めていました。

また、このほかの注意点として、「国公立より都市部の民間病院のほうが高額提示が多い」「当直・オンコール回数が多いほど年収レンジが高まる」というポイントも押さえておきましょう。

開業医の年収

厚生労働省「第24回医療経済実態調査報告」の一般診療所 主たる診療科別損益状況によると、無床の外科診療所(開業医)の年間損益差額は平均2,352万円でした。

これは院長報酬や設備投資原資に充てられる「手取りベース」に近い指標です。「手術件数を確保し外来単価を高める」「リハビリ・内視鏡など周辺サービスを拡充する」といった経営努力でさらに上振れが期待できます。

ただし、周辺人口が少ない地域では1,500万円程度にとどまるケースもあり、集患力や自費診療メニューが収益格差を左右します。そのため、開業医の収益を左右するポイントとして、以下の点が挙げられます。

  • 手術・処置の患者数(予約枠回転率)
  • 自院で完結できる検査設備(内視鏡・エコーなど)
  • 地域競合の状況
  • 患者紹介ルートの確保

労働時間と手術・当直が年収を押し上げる

手術のシーン

JILPT「勤務医の就労実態と意識に関する調査」では、外科勤務医の週あたりの全労働時間の平均が52.5時間と報告されています。さらに60時間超が43.1%と、診療科別でも突出していることが示されています。長時間労働の主な要因は執刀準備・術後管理に加え、緊急手術への対応が常に発生し得る点です。

また、同調査では当直・オンコール回数も報告されており、月4回以上のオンコールがある外科医は29%でした。夜間・休日の呼び出しに備える待機時間が加算され、実質的な拘束時間は統計値以上に長くなることは容易に想像できます。こうした「24時間体制」の働き方が手当を押し上げる源泉といえるでしょう。

外科医の給与体系は、基本給+手術手当+時間外手当+当直手当が一般的です。手術件数が増えるほど出来高部分が積み上がり、夜間・休日の緊急手術は割増率が高い病院も少なくありません。結果として勤務医の平均年収1,374万円という高水準を支えています。

上記の外科医の給与内訳をまとめたものが次の表です。

要素 収入への寄与 備考
基本給、時間外手当 ベースとなる金額 病院規模・地域で差が大きい
手術手当 難度と時間で単価が変動
当直手当 上限を設ける病院もある
オンコール待機手当 低~中 実際に呼び出しがあれば別途支給

 

長時間労働と夜間対応は、燃え尽き症候群や慢性疲労の温床になりやすく、医師本人の健康リスクも指摘されています。キャリアを通じて収入と健康のバランスを取るためには、①手術件数と当直回数の適正管理、②チームでの勤務体制の確立、③将来的な専門分野・勤務形態の見直しがポイントとなるでしょう。

 

専門資格で変わる年収

外科医の年収は診療内容や地域差に左右されますが、大きく影響を及ぼす要素として、専門資格の有無が挙げられます。その中でも外科専門医と内視鏡外科技術認定医の2つは、市場価値を大幅に高める要素だといえます。

外科専門医

都市部の民間クリニックでも外科専門医の資格を採用条件に掲げ、年俸に120万円前後を上乗せする求人が募集されています。非常勤外来であっても1コマあたり5,000円程度の加算が提示される例が複数確認されており、資格の有無が報酬テーブルに直結している実態は明らかです。

また、若手外科医の待遇改善を掲げる広島大学病院は、2025年度から「未来の外科医療支援手当」を導入し、27~40歳前後の外科医に月額10万円(年額120万円)を一律で加算すると発表しました。国立大学病院で初めての手厚い制度であり、従来よりおよそ1.3倍の年俸が見込めると発表されています。

参考:若手外科医の年俸を1.3倍に 広島大学病院、診療体制維持へ

内視鏡外科技術認定医

内視鏡下手術のニーズが高まり、腹腔鏡や大腸がん手術に高度な技術を持つ医師を確保したい病院は年々増えています。

例えば、茨城県の一般病院では年収1,500万~2,000万円のレンジで認定医を募集し、当直なしという好条件が提示されていました。また、内視鏡設備を強みとする医療機関が最大2000万円を掲げる求人もありました。

地方都市では医師確保が喫緊の課題となるため、認定医に対して2,200万~2,500万円に達する提示も珍しくありません。これらの数字を勤務外科医の平均年収(1,374万円)と比較すれば、資格保有者が500万円程度の年収プレミアムを得ることも十分に可能です。

 

専門資格取得の難易度と投資効果

外科専門医は症例経験350例以上に加え筆記試験の合格が必要であり、初期臨床研修を含めると取得までに合計5年以上かかるといわれています。一方、内視鏡外科技術認定医は指定施設で術者・助手として100例以上の経験が求められ、取得後も5年ごとの更新で症例報告が課されます。

時間と労力を投じる必要がある資格ですが、数十万円の受験・研修費用に対し数百万円規模の年収増が期待できるため、投資効果は極めて高いといえるでしょう。

外科医として年収の上限を押し上げたいなら、研修医・専攻医の段階で症例ポートフォリオを意識し、30歳前後で外科専門医を取得。続く数年で内視鏡症例を集めて認定医に挑み、30代半ば以降に高付加価値手術や指導的ポストへ移行する戦略が王道といえます。

資格は肩書き以上の「信用通貨」となり、交渉力を高めつつ労働時間を極端に増やさず年収を伸ばせます。専門資格をどう手に入れ、どう生かすかが、外科医キャリアの分岐点となるでしょう。

キャリア別年収モデル

手術のシーン

外科医の年収カーブは、若手、中堅、管理職、開業という4つのフェーズで上がり方が異なります。どの段階で専門資格を取得し、どのタイミングで役職や経営に踏み出すかによって、手取りは数百万円単位で変動します。

勤務医として症例を積みながら資格を取得し、部長ポストでマネジメント収益を取り込み、最終的に独立開業でキャッシュフローを最大化する。このような成長曲線を描くためのキャリアプランについて解説します。自身の現在地を確認し、3年後・5年後に目指す到達点を具体的にイメージする材料として活用してください。

若手(卒後6~10年):1,000万~1,300万円

卒後6~10年の若手外科医が手にする年収は、おおむね1,000万~1,300万円が中心です。JILPT「勤務医の就労実態と意識に関する調査」では外科勤務医全体の平均年収が1,374万円と示されていましたが、若手は執刀件数や役職手当がまだ十分でないため数百万円低い水準からスタートします。

それでも週52時間を超える勤務実態と月数回の当直はベテラン層と変わらず、時間外・緊急手術手当が年収の約2割を占める点が特徴です。ここに外勤アルバイトや救急当直を月2~3回追加すれば、年間100万~200万円を上積みでき、実収入は1,200万円台に届くでしょう。

しかし、このフェーズの最大目標は「外科専門医の受験資格をいかに最短で満たすか」に尽きます。受験には症例350例(術者120例を含む)が求められるため、年間80~100例のペースで症例を確保しながらオペ室に立つことが肝要です。

救急外傷や急性腹症を積極的に担当すれば症例数が伸び、縫合技術や周術期管理の経験値も高まります。また、手術履歴をデータ化し、術式・合併症・指導医署名を漏れなく記録しておけば、後の申請書類作成が楽になるでしょう。

外科専門医を取得すると、年俸に120万円前後を上乗せする民間病院の求人があるように、若手の段階でも年収は中央値に近づきます。症例獲得と資格取得を収入の源泉と捉え、当直や外勤で生活費を賄いながら自己投資へ資金を振り向けておくと、30代前半で次の年収レンジへ滑らかにステップアップできるでしょう。

 

中堅(専門医、医長クラス):1,400万~1,800万円

外科専門医を取得して数年が経ち、医長やチームリーダーを任され始める中堅期に入ると、年収レンジは1,400万~1,800万円が現実的な目標になります。

この背景にはまず、手当の拡充があります。広島大学病院が導入した「未来の外科医療支援手当」のように、外科医へ月額の手当を上乗せする施設が増加しつつあり、ベース給は押し上げられる傾向にあります。

また症例の質も中堅フェーズに入ると変わってきます。開腹中心だった若手時代に比べ、このフェーズでは腹腔鏡や内視鏡下手術が主戦場となります。これらは1件あたりの出来高単価が高いため、年間執刀件数が同程度でも収入は伸びやすい点が特徴です。

さらにチームリーダーとして術前カンファレンスやクリニカルパスの策定に関与すると、役職手当や業績評価給が加算される点も見逃せません。

中堅医師が年収の上限を押し上げるポイントは2つあります。1つ目は、執刀件数の最適化です。若手を教育しつつ自らも一定数以上の症例を担当するには、緊急手術のローテーションや術者交代のルールを見直し、オペ室の稼働率を高める必要があります。複数領域の腹腔鏡を日常的にこなし、年間300例前後まで引き上げられれば、出来高だけで100万円単位の差が生まれるでしょう。

 

2つ目に、内視鏡外科技術認定医の取得が挙げられます。この資格を掲げた求人は年収1,600万~2,000万円帯が相場で、都市部の専門病院でも地方の基幹病院でも売り手市場といえるでしょう。取得後は「当直負担少+高額オファー」のポジションを狙えるため、労働時間を抑えつつ収入を伸ばせる可能性が高まります。

交渉に臨む際は、腹腔鏡・内視鏡の年間術者件数、教育実績、学会発表歴を定量的に提示すると説得力が増します。マネジメント経験と専門スキルを併せ持つ中堅外科医は市場での希少価値が高く、勤務先を戦略的に選べば40歳前後で年収2,000万円超のキャリアパスも十分に視界に入るでしょう。

 

部長級:1,700万~2,200万円

外科医として部長クラスに到達すると、給与は「専門技能+マネジメント力」の両方に影響されます。求人サイトのデータを参照すると、役職手当と管理職手当が加算される大規模病院・急性期センターの外科部長ポストは、おおむね2,000万円前後で募集されています。

この高額な給与が成立する第一の理由は、手術枠をコントロールできる立場にある点だといえます。年間400例を超える場合、執刀や助手に入らなくても症例の割り振りを最適化するだけで出来高収益が上振れします。加えて、幅広い予算配分権限を持つため、経営インセンティブ連動型の賞与が組み込まれやすい立場といえます。

部長級の医師が年収を上限近くまで伸ばすには、まず学会指導医や専門医制度の研修責任者を担い、自身の診療単価を高めることが肝要です。例えば肝胆膵や乳腺など臓器特化の指導医資格を取得し、研修プログラムの責任者に就任すれば、症例と研究の双方で施設評価が上がり、診療報酬改定時の加算要件を満たしやすくなります。その結果、手術一件あたりの出来高が上昇し、部門収益に連動した管理職手当が増額される可能性が高まります。

もう一つの伸ばしどころは、経営KPIの可視化と交渉です。部長クラスは診療部門長会議や経営会議に出席し、DRG/DPC係数、病床稼働率、平均在院日数といった経営指標に直接関与する立場にあります。これらを理解し、術後在院日数の短縮や周術期合併症率の改善で病院全体の利益率を引き上げた実績を示せば、次年度の評価給や分配率を有利に交渉しやすくなります。近年は診療報酬の包括化が進み、コスト意識を持った手術計画・材料選定が求められるため、経営に関する数値管理に強みを持つ部長は報酬評価が高い傾向があります。

なお、部長職は臨床第一線に立ち続けながらマネジメント負荷も背負うため、労働時間が週60時間近くに及ぶケースが少なくありません。過労を防ぐには、権限委譲により若手に術後管理を任せ、チーム医療で回す体制を早期に整備することが不可欠です。「執刀件数は維持しつつ自分が埋没しない仕組みをつくる」これが年収2,200万円ラインを安定して超える外科部長の共通点といえるでしょう。

 

開業医:2,000万~3,000万円超

外科医が独立し無床クリニックを経営すると、年収レンジは勤務医時代の倍近くに跳ね上がります。厚労省の医療経済実態調査では、外科診療所の年間損益差額が平均2,352万円と報告されています。執刀件数を維持しつつ自費メニューを組み込めば、3,000万円超も十分に狙えます。

美容外科や日帰り内視鏡センターなど自費比率が高い医院では、4,000万円台も珍しくありません。また地方の基幹病院が掲げる「院長候補」求人も2,000万円超が一般的です。

開業で収益を最大化するポイントは、差別化と回転率に集約されます。まず診療範囲を絞り、消化器内視鏡・下肢静脈瘤・乳腺デイサージャリーなど疾患特化型クリニックとして位置づけると、設備投資を回収しやすく単価を引き上げられます。

 

次に、予約枠稼働率90%以上を維持するためには集患戦略が欠かせません。検索エンジン経由の流入を狙うSEO、患者のクチコミを促すGoogleマップ対策、地域開業医や健診センターからの紹介ネットワーク。これらを多面的に整備し、新患・再診の流れを途切れさせない体制を築くことが重要です。

 

また、経営面ではキャッシュフローが生命線である点も見逃せません。手術室をフル回転させるには、看護師・臨床工学技士の勤務シフトと在庫管理をデータで可視化し、材料費率を低く保つ必要があります。

最後にリスク対策として、初年度から税理士・社労士・行政書士の専門家チームを組み、節税と労務コンプライアンスを確保しておくとトラブル発生時の損失を抑えられます。これらの布石を打って初めて、「執刀医」としての腕前を「経営者」としての利益に変換できるようになります。外科医が開業で年収3,000万円の壁を超えるかどうかは、医療技術に加え経営プランにかかっているといえるでしょう。

 

年収2,000万円以上を目指すなら開業医がおすすめ

外科医として「長時間労働+当直」で年収1,400万~2,200万円を狙うキャリアは確かに盤石ですが、年収2,000万円以上を安定して得たいなら最終的に開業へ踏みきるのが最短距離といえます。厚労省統計で無床外科診療所の損益差額は平均2,352万円と報告されており、これは勤務医の倍近い水準です。

 

加えて開業医は診療スタイル・休診日を自分の裁量で決められるため、ワークライフバランスや医師としての理想像を実現しやすい点もメリットです。もちろん資金調達や経営リスクが伴いますが、症例実績と専門資格を武器に疾患特化型クリニックで差別化し、SEOや紹介ネットワークで集患を行えば、3,000万円超の収益も視野に入ります。

結論として、外科医が「収入の上限」と「働き方の自由」を両立させるには、一定の臨床経験を積んだ上で開業ルートを選ぶ戦略がもっとも合理的ではないでしょうか。

日本調剤では、開業物件や資金計画の提案、診療圏調査やスタッフ採用の支援など、クリニック開業に関する手厚いサポートを提供しています。開業後のサポートも行っているので、ぜひ一度お問い合わせください。

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