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クリニック開業準備ロードマップ ~14 か月前から開院後までの実践ステップ~
医院開業コラム
クリニック開業の基礎知識
2026.01.20 2026.01.20
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メディカルセンター.JP
「物件はいつまでに決める?」「退職は何か月前に伝える?」「集患はどうすればいい?」 勤務の合間に準備を進めようとすると、やるべきことの順番が見えにくくなります。
そこで本記事では 開院予定日から逆算し、以下の開業までの実践ステップを時系列で整理しました。
開業までのタイムラインも掲載しているので、この記事をチェックリスト代わりにすれば 「開業タスクの抜け漏れ」を防ぎ、開業準備を安心して進められます。
クリニック開業は逆算で進めると抜け漏れを防げます。ここでは開院日から14 か月前までさかのぼり、9つのフェーズに分けたロードマップを示します。あくまで代表的なスケジュール例ですので、診療科や物件取得時期などに応じて調整してください。まずは全体像をつかみ、各ステップの位置づけを把握しましょう。
このタイムラインをガントチャートに落とし込み、「いつまでに・何を行うか」をタスク分解しておくと、14 か月間の準備プロセスをブレずに進められます。
開業準備の出発点は、「なぜ開業するのか」「10年後にどんなクリニックでありたいか」を紙に書き出し、将来像を言語化することです。 ビジョンが明確になると、必要な設備・人員・資金を逆算しやすくなり、物件選定や融資交渉でも説明の軸がぶれません。
続いてターゲット患者と診療方針を具体化します。
たとえば、生活習慣病フォローに強い内科を想定し、年代・来院動機・受診頻度などをペルソナを用いて設定したうえで、治療方針や検査体制、予防医療への取り組みを整理します。 患者が「ここで何をしてもらえるか」を一目で理解できるコンセプトは、そのまま集患力につながります。
同時に、自身の働き方とライフプランも整理しておきましょう。 診療時間や在宅医療の範囲を決め、勤務時間と収入目標を併記すると、スタッフ数や設備投資の上限が見えてきます。将来の展望を可視化しておくことで、後工程の採用計画やシフト設計で無理な拡大を防げます。
オンライン診療や訪問診療を導入するかどうかは、患者ニーズや競合クリニックの状況、自身の働き方を踏まえて早期に判断します。導入を決めた場合は、ITインフラや訪問車両などの追加コストを資金計画に組み込むことを忘れないでください。
この段階でビジョン・ターゲット・働き方・サービス範囲を「見える化」しておけば、以降の物件選定や資金計画がスムーズに進みます。
診療圏調査は「想定した来院数が本当に見込めるか」をデータで検証する作業です。 専用のソフトを用いて次のデータを地図上に落とし込み、悲観・標準・楽観の3パターンで来院シミュレーションを作成しましょう。
診療圏が固まったら、次は開業形態を「戸建て」「テナント」「居抜き」「医療モール」の4タイプから選びます。それぞれのメリットとデメリットを比較し、自院の資金計画や成長戦略に合う物件タイプを選びましょう。
土地・建物が資産に残る
竣工まで時間がかかる
着工から半年〜9 か月で開業可能
家賃が月商の10%超に膨らみやすい
準備期間を大幅短縮
旧医院の評判やイメージを引き継ぐ場合がある
駐車場やトイレなど共用コストを圧縮できることがある
診療時間や広告にモール規約がある可能性がある
物件を絞り込む際は、以下のチェックリストを用いて数字と条件を必ず確認しましょう。
返済額が多すぎると、広告や人件費に回すお金が足りなくなります。 毎月の売上から返済を差し引いたあとに、運転資金と成長のための投資分がしっかり残るかを基準に考えましょう。
実務上は、返済が月の売上の1割を大きく超えると余裕がなくなるケースが多いため、注意してください。「データ→内覧→シミュレーション」のサイクルを2〜3回まわすことで、立地・コスト・将来成長性のバランスが取れた最適物件に絞り込めます。
開業に必要な総費用は 6,000 万〜1億2,000万円 が目安です。 まずは「最初に必要な設備・内装費」と「軌道に乗るまでの運転資金」を分けて見積もり、毎月の返済を終えても広告・人件費・予備資金が残るかを基準に設計しましょう。
実務上は、返済額が月の売上の1割を大きく超えると資金の自由度が下がりやすいため、範囲内に収まるかをチェックします。
そのうえで、①費用の洗い出し → ②調達手段の組み合わせ → ③悲観・標準・楽観のシナリオで試算 → ④金融機関向け計画書づくり、という4つの流れで資金計画を固めていきましょう。
初期投資のうち、内装・医療機器で全体の5〜6割を占めます。 高額機器はリース/サブスクで月額化し、現金流出を緩和しましょう。
運転資金は、家賃・人件費・広告費の3〜6か月分を確保します。黒字化前の資金ショートを防ぐバッファーになる重要なクッションとなります。
金利だけでなく「返済期間」と「借入形態」も考慮に入れ、月々の負担を平準化することが資金繰り安定のカギになります。
借入は、15〜20年返済にすると月次キャッシュフローに余裕が生まれます。 金利の低さよりも「毎月の返済額が経営を圧迫しないか」が重要です。 返済期間を長めに設定し、余裕資金を広告・採用・設備保守へ再投資できる体制を整えましょう。
想定患者数と単価を「悲観・標準・楽観」の3パターンで試算し、毎月どれだけ現金が入ってくるか・出ていくかを可視化します。 ポイントは、毎月の返済額が月の売上の1割を大きく超えない範囲に収まっているかを目安にし、必要なら借入額や返済期間を調整することです。
また、試算後の手元資金が、固定費の数か月分を下回らないよう、運転資金を十分に確保しておくと、黒字化が予定より遅れても資金ショートを防げます。
事業計画書で融資を獲得するには、数字で裏付けたストーリーが欠かせません。
まず、診療圏調査で得た人口統計と競合状況を示し、「1日○人の来院が見込める」という患者数の根拠を具体的に提示します。そのうえで、居抜き物件の活用や医療機器のリース化によって初期投資を圧縮する方針を明記し、資金使途の妥当性を証明しましょう。
集患計画については、ホームページやSNS広告に充てる予算額と、そこから獲得したい新患数を数値で示し、黒字化までのタイムラインを可視化することが重要です。
返済負担については、毎月の返済額が売上の1割を大きく超えないよう意識し、手元資金も固定費の数か月分を確保できる試算を入れておくと、金融機関は返済余力を判断しやすくなります。
「借りられるだけ借りる」発想ではなく、「返せる範囲で借りる」姿勢を示すことが、審査通過と開院後の安定経営を両立させるポイントです。
開院後のキャッシュフローと業務効率は、この時期の意思決定で大半が決まります。
「動線最適化 × リース活用 × IT省力化」をワンセットで設計に織り込み、月商に占める返済比率が1割を大きく超えない構成になっているか必ずチェックしましょう。
内装設計の第一歩は、クリニック設計の実績が豊富な設計会社をパートナーに選ぶことです。 設計段階からクリニックに必要な要件を把握しているため、追加工事や指摘を最小限に抑えられます。
設計が固まったら、受付・待合・診察・検査・会計へと続く患者動線と、薬品搬送やスタッフの裏動線を明確に分離する「ゾーニング」を徹底しましょう。
動線の交差を避けるだけでヒヤリハットが大幅に減り、患者満足度とスタッフの作業効率が同時に向上します。
さらに、消防法やバリアフリー法、医療法施行規則といった関連法規を早期に精査しておくことで、竣工後にレイアウトを壊して作り直すような二度手間を回避できます。
開業初期は「返済比率を抑え、運転資金に余裕を持たせる」ことを優先しましょう。 高額機器はリースまたはサブスクリプションを活用し、初期の支出を低く抑えることをおすすめします。
リースへ切り替えるだけで開業初期からの1,000万〜2,000万円超の現金流出を回避でき、その資金をWeb広告や人材採用に振り向けられます。 また、毎月の支払いが一定になるため月次損益のブレが小さくなり、キャッシュフロー計画を立てやすくなる点も大きなメリットです。
最新ITツールを導入する目的は、業務を省力化して人件費率を下げることと、オンライン経由の新患・再診を取りこぼさない仕組みをつくることです。
下記の3点をパッケージで実施すれば、受付~会計の滞留がほぼ解消されるうえ、24時間いつでも予約を受け付けられる集患手段を確保できます。
保険資格オンライン照合
レセ締め業務の削減
LINEリマインド配信
無断キャンセルの減少
多様な決済の提供(クレジットカード・電子マネー等)
事務1名→パート化で人件費を削減
開院の半年前に当たるこの時期は、退職手続きとスタッフ採用・研修を同時並行で進める最も慌ただしいフェーズです。
まず、勤務医として在職中の方は、開業6か月前までに上司へ正式に退職意思を伝え、後任の選定や患者の引き継ぎを十分に行える期間を確保します。
退職を公表するまでは、融資関係書類や図面などの開業資料は自宅で受け取り、院内に持ち込まないことでトラブルを避けられます。
退職準備と並行して人材計画を固めます。
来院患者延べ20人につきスタッフ1人を目安に算定し、想定外来数が1日100人なら看護師2名・医療事務3名が基準です。常勤の過剰雇用を避けるため、繁忙帯の受付や訪問診療の帯同は派遣・パートを組み合わせ、人件費率を20%程度に収める人員計画を設計します。
採用活動は6か月前に求人媒体を選定するところから始まり、5か月前に書類選考と一次面接、4か月前に最終面接と内定通知を済ませると、開院前研修に十分な余裕が生まれます。 内定後は速やかに労働条件通知書と雇用契約書を発行し、早期辞退を防止しましょう。
労務面では、社会保険や労災・雇用保険の適用手続きを開業1か月前までに申請しましょう。 研修は3か月前から始め、電子カルテ操作や感染対策、接遇マナーをマニュアル化してロールプレイ形式で習熟させます。 看護師には採血・心電図、事務スタッフにはレセプト講習を実施すると即戦力化が早まります。
開院2週間前にはスタッフの家族や取引先を招いた模擬診療を実施し、受付から会計までの所要時間と動線を検証しながらヒヤリハットを洗い出し、業務フローを最終調整します。
退職手続きを円満に進めつつ、計画的な採用と研修でチームを育てられれば、開院初日からスムーズな診療が可能になります。
ステップ6(開院 4〜2 か月前)は、クリニックの顔を作り込むフェーズです。 まず院名・ロゴ・カラーを決め、同時にホームページ作成を開始し、オンライン・オフライン両方のタッチポイントに統一感を持たせます。
開院 60 日前を目安に、ホームページとGoogleマップを公開し、診療科目・診療時間・料金表・写真を開業前に公開します。検索エンジンに十分なインデックス期間を与えることで、開院前から指名検索とGoogleマップ経由の流入を得られるようになります。
オンライン集患の主役はInstagram広告とLINEです。 Instagram広告では、ターゲットとする性別・年代に合わせて半径5 km へリール動画を配信し、CPA(新患獲得コスト)5,000 円以下を目標に 2 週間サイクルでクリエイティブを最適化します。
広告から流入したユーザーを、確実にLINEで予約へ誘導しましょう。 友だち追加用QRコードをホームページやチラシに掲載し、リッチメニューから24 時間オンライン予約を受け付けます。開院前に友だち 500 人を確保できれば、ニュース配信とリマインド通知でリピート率も大幅に向上します。
オフライン施策も欠かせません。 高齢者比率が高い診療科ではポスティングや新聞折込で紙媒体の接点を設け、地域フリーペーパーの取材や開院前のプレスリリースで「新しいクリニックができる」という話題性を醸成します。
オンライン広告が興味を喚起し、オフライン情報が来院決定を後押しするクロスメディア戦略を取れると理想的です。
広告予算は初年度 200 万円を確保し、その半分を開院 30 日前までに集中的に投下します。 残りは開院後に回し、開院後 3 か月で月間新患 150 人、CPA 4,000 円台を狙います。
指名検索数、Google マップ経由の予約、友だち追加数、広告 CPA といった KPI をダッシュボードで可視化し、数値を見ながら配信比率を調整すれば、広告費がそのまま利益を押し上げる仕組みが完成します。
開院日が目前に迫ったこの時期は、診療所を正式に認めてもらうための手続きが集中します。 期限を逃すと開業日がずれ込む恐れがあるため、余裕をもって進めましょう。
まず着手すべき手続きは、開設地を所管する保健所への「診療所開設届」です。 提出自体は「開設後 10 日以内」が法定期限ですが、スムーズに受理されるよう、提出前に必ず保健所へ事前相談を行いましょう。レイアウトや必要掲示物など、医療法で定められた構造設備について指導を受けることで、後から改修や追加工事が発生するリスクを減らせます。
なお、保健所で開設届が受理されても、それだけでは保険診療を行えません。 開院と同時に保険診療をスタートさせるには、厚生局への「保険医療機関指定申請」を別途完了させる必要があります。
開設届と並行して行うのが、保険医療機関指定申請です。 厚生局が指定日を毎月1日付しか設定していないため、申請が1日遅れただけで保険診療開始が翌月1日に繰り延べとなり、開院後しばらくは自費診療しか行えません。
実質的な締切は指定日前月の15日頃(管轄厚生局により異なる)のため、診療所開設届の写しや平面図、医療機器リストなど必要書類を早めにそろえ、スケジュールを逆算して提出しましょう。
このほか、労災・雇用保険の成立届、医療廃棄物処理契約、CTやレントゲン導入時の放射線施設届など、各種書類が続きます。電力・通信・水道・ガスや警備といったインフラ契約は開院3〜4週間前までに開通日を確定しておけば、スムーズに準備を進められるでしょう。
ガントチャートで「提出→受理→検査→是正」それぞれに1週間ずつバッファを設け、週次で進捗をチェックしてヒューマンエラーを防ぎます。
書類は提出後すぐにコピーし、受付印・受付番号を控えてスタッフ間で共有しましょう。
内覧会は、院長やスタッフの人柄を直接伝え、院内の最新設備を体験してもらい、その場で受診予約へつなげるという、3つの目的を同時に満たす強力な集患イベントです。
開催1週間前にはポスティングや地域ポータルサイトで告知を打ち、当日は院内ツアーと血圧・体脂肪などのミニ健康測定を組み合わせると、来場者の満足度が大いに高まります。
動線設計から案内スタッフの手配、感染対策備品の準備、POP やチラシの制作、さらには DM 送付までを一括して任せられる専門業者に委託すれば、院長とコアスタッフは診療研修や最終準備に集中できます。
DM送付まで含め専門業者に委託すると費用は100 万円以上かかることがありますが、来場者アンケートを LINE 友だち登録へ誘導し、そこから予約フォームへつなぐ患者獲得フローを構築できれば投資効果は大きいでしょう。
開院当日は、受付・診察・会計の三か所それぞれに即応スタッフを配置し、患者動線を丁寧にフォローすることが不可欠です。オペレーションが初日から滞ると否定的な口コミに直結するため、あらかじめシミュレーションと役割分担を綿密に行っておきます。
さらに、内覧会で取得した来場者リストには、遅くとも翌週中に「開院のお知らせメール」と健康コラムを配信し、再来院を後押ししてください。こうした流れを整えておけば、期待感を持って来院した患者をスムーズに定期受診へとつなげられ、開業初日から満足度と収益の双方を高いレベルでスタートさせることができます。
開院から最初の 90 日間は、「伸び続けるクリニック」になれるかどうかを分ける重要な時期です。ここでは Plan → Do → Check → Action を高速で回す習慣づくりが欠かせません。
少なくとも毎月、以下の経営指標を確認し、必要であれば対策を講じる習慣を作りましょう。
広告費の増減
平均単価 −5 %
診療内容の確認
LINEリマインドを追加
開業を検討している医師からよくある質問をまとめたので、こちらも参考にして下さい。
開業準備に要する期間や開業医として働く年数、医師としてのキャリアなどを踏まえると、開業の適齢期は30~40代です。
30~40代は十分なスキルやノウハウが身についているだけではなく、経済的な余裕も生じる傾向にあるので、開業に向けて自己資金を用意しやすくなります。また、借入金の返済期間をしっかり確保できるため、融資を受けやすいこともメリットです。
医療法人は分院や有料老人ホームといった複数の施設を開設できる他、税率の低い法人税が適用される、クリニック継承時に相続税を抑えられるといったメリットがあります。そのため、事業拡大や節税による収益の増加を求めるなら、医療法人化は検討する価値が高い選択肢です。
ただし、社会保険の保険料の負担が増加する、事務作業が煩雑になるといったデメリットもあるので、それも念頭に置いて検討しましょう。
開業準備は多岐にわたり、院長一人で全て対応するのは大変です。特に勤務医として働きながら準備を進める場合、多忙で時間が取れない可能性もあります。
開業前の準備・計画によって開業の成否は大きく左右されるので、失敗を避けるためにも早めに実績豊富な専門家に相談しましょう。
開業予定日の 6 か月前 が目安です。後任選定や患者紹介など十分な引き継ぎ期間を確保し、円満退職につなげましょう。
退職意思を伝えるまでは、見積書や契約書など開業関連の書類は勤務先ではなく自宅へ送付し、準備状況を悟られないよう配慮してください。
クリニック経営を早期に黒字化させるポイントは、次の3点に集約されます。
1.診療圏 × 立地の適合度を数値で検証する 人口構成・競合・交通導線をデータで可視化し、「来院予測」と「家賃/駐車場条件」が噛み合う物件だけに絞り込む。
2.無理のない返済計画で資金の余裕を残す 初期投資は居抜き活用や機器のリースで抑え、毎月の返済が売上の1割を大きく超えないよう意識しましょう。
3.デジタル集患で「開院3か月以内の黒字ライン」を突破する ホームページ・Googleマップ・LINEとWeb広告を連動させ、CPA5,000円以下で新患を安定獲得。指名検索と口コミ評価を伸ばして広告効率を高める。
日本調剤では 「物件紹介 → 診療圏調査 → 内装プラン → 医療機器選定 → 集患支援」 までを、ワンストップで無償サポートしています。
データに基づいた堅実な開業計画を立てたい先生は、どうぞお気軽にご相談ください。
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クリニック開業の基礎知識, これからのクリニック経営
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医療モールで開業した方
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