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2026.01.21 2026.01.21
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診療所院長の平均年齢は60歳を超え、後継者不在で黒字のまま閉院するケースが増加しています。その一方で、高騰する建築費や医療機器の費用を前に、若手医師が新規開業へ踏み切りづらい現実もあります。
こうしたギャップを埋める手段として注目されているのが、クリニックM&A(第三者承継)です。既存患者・スタッフ・レセプト実績を丸ごと引き継ぐことができるため、初月から黒字化を狙える点が最大のメリットだといえます。
本記事では「新規開業 vs M&A」の費用・期間・リスク比較から、バリュエーションの手法、9ステップで進めるM&Aの手順、隠れ債務やスタッフ離職を防ぐチェックリストまで、医院継承を成功に導く具体策を体系的にまとめました。開業を検討中の先生はもちろん、譲渡を検討する院長にも役立つ内容です。
クリニック開業を検討する医師にとって、「新規開業」と「既存院を引き継ぐM&A承継」では開業準備の進め方が大きく異なります。
● コストとスピードを重視するなら、M&Aで初期投資と黒字化までの期間を短縮できます。 ● 診療方針や設備を自由に設計したいなら、新規開業に分があります。
本節では、最新統計とデータを用いて、新規開業とM&Aの資金負担・収益化までの時間・経営リスクを比較します。
クリニックを取り巻く経営環境は、この数年で大きく変わりました。閉院予備軍の増加と新規開業コストの高止まりが同時に進み、既存クリニックを第三者へ承継する「M&A承継」に注目が集まっています。 とりわけ次の4点が、売手・買手双方の注目を集めている主な要因です。
①院長の高齢化と後継者不足 厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」(令和4年)によると、診療所に勤務する医師の平均年齢は60.4歳で、病院勤務医(47.6歳)より約13歳高いことが示されています。
経営者が60代後半に差しかかる診療所が増える一方、親族内に医師の資格を持つ後継者がいないケースが多く、黒字のまま閉院せざるを得ないクリニックが増加しています。
②新規開業コストの高騰 近年の建設資材高・医療機器高騰でテナント開業でも6,000万~1億円が相場とされています。産婦人科や画像診断を伴う科目では1億円超のケースも珍しくありません。
コロナ禍以降、金融機関は融資に慎重で自己資金2~3割を求める傾向が強まり、若手医師にとってハードルが一段と高くなりました。
③勤務医志向の強まり 「都市部の大病院で専門性を磨きたい」「ワークライフバランスを優先したい」と考える若手医師が増えています。その結果、開業というリスクを取らず、雇われ院長や常勤勤務医を選ぶ傾向が強まっています。この勤務志向の高まりが、親族内での医院承継をいっそう難しくしているのが現状です。
④診療報酬の伸び悩み 2024年度の診療報酬改定率は、本体部分を+0.88%と小幅に引き上げたものの、薬価△0.97%、材料価格△0.02%を合わせたネット改定率は△0.12%と実質マイナスでした。
参考 診療報酬改定率 ネットでマイナス
物価と人件費が高いまま推移する一方、診療報酬は伸び悩んでいます。そのため院長世代にとっては、黒字のうちに第三者へクリニックを譲渡したいという気持ちが強まります。
買手側から見ても、レセプトを引き継ぎ初月から黒字化を狙えるM&A承継は資金回収リスクを大きく圧縮できるため、売手・買手双方のニーズが合致しやすい理由の一つです。
資金負担・黒字化スピード・患者基盤など 6 つの項目で、新規開業と M&A 承継を比較します。それぞれの違いを把握し、どちらがご自身の希望にあっているか確認しましょう。
ただし、M&A承継にはデメリットも存在します。以下の点にも注意した上で検討することをおすすめします。
既存スタッフをそのまま引き継げるのは大きな利点ですが、給与体系の変更や新院長の方針に対して不満や戸惑いが生じる可能性があります。就任前に人事制度と院内ルールを十分に説明し、共通認識を持ってもらうことが重要です。
建物や診療導線をゼロから設計し直す余地が限られるため、最新機器の導入やレイアウト刷新を重視する場合は新規開業のほうが自由度は高いです。
資金と時間のリスクを抑えたい場合はM&A承継が現実的です。一方、医療機器の選定や診療コンセプトを一から構築したい場合は、新規開業が適しています。
クリニックM&Aは、着手からクロージングまでおおむね6~12カ月かかります。段取りを誤ると価格交渉の主導権を失い、許認可の遅延で保険診療が停止するリスクもあります。
ここでは医療機関ならではの注意点を踏まえながら、案件を成功に導く9つのステップを時系列で整理しました。各フェーズの目的と実務上のチェックポイントをつかめば、売手・買手双方が安心して交渉を進められます。
医療法人M&Aは医療法・保険指定の知識が必須です。案件実績、手数料体系(着手金・中間金・成功報酬)、売手/買手の双方代理可否を比較し、医療特化で片側代理を原則とする仲介を選ぶと情報漏えいリスクを抑えられます。面談時には「直近3年の成約件数」「直近3件の破談理由」を確認すると力量が見えやすくなります。
院名・所在地を伏せた概要書で買手候補へ打診します。掲載するのは診療科目、外来数、レセプト点数、希望譲渡価格、譲渡理由の5項目程度に絞り、買手の検討コストを下げつつ興味を引くことが売手側のポイントです。
詳細資料を共有する前にNDAを取り交わし、情報漏えい時の損害賠償範囲を明確化します。電子契約を用いれば1日で完了し、契約締結までの時間を短縮できます。
診療所の場合は「EBITDA×倍率+純資産」が主流です。倍率は内科3~4倍、皮膚科4~6倍が目安となります。
赤字案件や自費比率が高い案件はDCF法で将来キャッシュフローを割り引く方法が適しています。ただし、医療機器リース・未収金・退職給付引当を調整しないと過大評価につながるため注意が必要です。
トップ面談で譲渡理由・スタッフ処遇方針・価格交渉幅を擦り合わせます。同日に院内ツアーを実施し、動線・カルテ運用・機器の老朽度をチェックしましょう。スタッフには「買収確定後に正式説明会を行います」と案内し、突然の離職を防ぎます。
価格帯、支払方法(現金一括/分割/アーンアウト)、独占交渉期間を文書化します。独占期間は通常60~90日です。ここで表明保証の骨格と競業避止義務の範囲を押さえておくと、最終契約での修正が最小限にとどまるでしょう。
デューデリジェンスでは、財務・税務・法務・医療法コンプライアンスを専門家が精査します。 1. 財務 未払リース債務、税負担、現金実査 2. 法務 賃貸借契約の名義変更可否、訴訟・クレーム履歴 3. 医療法 施設基準、スタッフ配置、広告ガイドライン違反有無 このほかに、口コミサイトやGoogleマップの評価も調査し、無形リスクを把握します。
最終契約書(Definitive Agreement)では、①最終譲渡価格、②クロージング前後の運転資金の調整方法、③表明保証の範囲を確定させた上で、売手・買手双方が署名・押印します。
支払いは「決済日一括振込+譲渡後1年以内のアーンアウト(業績連動追加払い)」の二段構えが一般的です。
開設者が同一(株式・持分譲渡など)のケースでは、許認可手続はクロージング(権限移転の効力発生日)後に実施します。
1.理事長変更届 変更後、都道府県知事へ遅滞なく提出します。
2. 厚生局の「保険医療機関の指定」に関する手続 開設者が同一(株式・持分譲渡等)の場合は、「保険医療機関 届出事項変更(異動)届」(代表者・名称・管理者など)を変更後速やかに提出します。 開設者が変わる(事業譲渡等)の場合は、「保険医療機関の指定申請(新規)」を行います。指定日は原則毎月1日で、申請締切は各地方厚生局の運用に従います(例えば、関東信越厚生局は毎月10日〜15日の間が締切となっています)。
3. 診療報酬の施設基準(変更)届 要件の変更が生じた月の末日までに提出し、受理後は翌月1日から新基準で算定開始となります。
これらの許認可手続きの期限を過ぎると保険診療が停止され、計画していた初月黒字が崩れるおそれがあるため、スケジュール管理を徹底してください。
また、承継後の医院運営をスムーズに進めるために、以下の引き継ぎ準備も並行して進めましょう。 1. スタッフ個別面談で雇用条件と新院長方針を説明 2. 就業規則や給与テーブルを旧院との相違点に絞って改訂 3. 診療報酬請求ソフト・電子カルテの切替手順を事前周知し、診療停止時間を最小化
引き継ぎ準備を怠るとレセプト請求ミスやスタッフの離職が生じ、黒字化シナリオが破綻しかねません。クロージング直後は許認可手続きと引き継ぎ準備をワンセットで進め、運営を速やかに安定させることが肝要です。
クリニックを売買する際にまず押さえたいのは、「適正価格をどう算定するか」です。医療機関のバリュエーションでは、一般に ①EBITDA倍率法、②DCF法、③純資産+営業権法の3手法が用いられます。
EBITDA倍率法は、「いまどれだけキャッシュを生み出しているか」を基準に企業価値を素早く算定する王道の方法です。
仲介会社が最初に示す査定額の多くは、「直近期EBITDA×業種別倍率(例:4倍)」というシンプルな式で導かれます。そのため、自院のおおまかな価格帯を把握する上でも、この指標を押さえておくと交渉が進めやすくなります。
EBITDA倍率法のメリットは、EBITDAはキャッシュ創出力を示す指標なので、金融機関が融資可否を判断しやすいという点です。また、減価償却費を加算しているため、設備投資が多い診療科でもキャッシュフローの実態が反映されやすい点も見逃せません。
一方、デメリットとしては、院長の人気や技術力に依存する美容系クリニックなどでは、人的な「営業権(のれん)」を十分に評価しきれない点が挙げられます。そのため、将来の成長余地や自費比率の上昇を織り込むには、別途DCF法などで補完が必要です。
DCF(Discounted Cash Flow)法は、今後生まれるキャッシュを年度別に見積もり、それを「いまの価値」に引き戻して合計する評価手法です。「いま払えばいくらなら割に合うのか」を論理的に導けるため、自費診療の拡大や分院展開で将来の伸びが期待できる案件に向いています。
DCF法が適しているのは、将来の売上や費用を具体的に予測しやすい案件です。例えば、広告投資によって売上拡大が見込める美容皮膚科・自由診療クリニック、既存院との相乗効果を取り込める法人グループの分院展開、モール全体の集患効果を期待できる医療モール内出店などが代表例となります。
DCF法の利点は、増患や単価アップといった将来のプラス要素を評価額に反映できる点に加え、設備更新費や賃料改定などイベントベースのコストも年度別に織り込めるところにあります。
一方で、割引率(WACC)や成長率を1%動かすだけで評価額が数千万円規模で変動するため、前提設定の振れ幅が大きい点は避けられません。また、精緻なキャッシュフロー予測モデルを構築する手間が掛かるぶん、仲介会社の見積もりが割高になりやすい点にも注意が必要です。
DCF法を用いる際は「将来の伸びをどこまで織り込むか」がポイントとなります。設備投資や広告費の前提を保守的に設定し、悲観・中立・楽観の3とおりを比較すれば、評価額の振れ幅とリスクを可視化できます。EBITDA倍率や純資産+営業権法で試算し、「割高でも割安でもない価格帯」を見極めましょう。
純資産+営業権法は、土地付き無床クリニックや大型機器を保有する診療所のように資産価値が高い案件で用いられることが多い手法です。まず保有資産を時価で評価し(純資産)、そこに将来もたらされる利益の一定期間分を「営業権(のれん)」として加算して企業価値を算定します。
純資産+営業権法が向いているのは、土地や建物を所有し含み益が大きいクリニック、画像診断装置や手術設備など高額機器を多数保有している診療所、あるいは過去の利益が安定している一方で今後の成長率が高くない案件です。こうしたケースでは、資産が価格の下支えになるため相場の下限を把握しやすく、含み益を売却価格に反映しやすい評価手法といえます。
一方で、リース残高や築古建物の修繕コストを調整しなければ過大評価に陥りやすく、院長の技術やブランド力といった「人的のれん」が十分に織り込まれにくい点は注意が必要です。そのため、機器リースの未払い残高や古い建物の修繕費をマイナス要素として差し引き、土地や建物は必ず実勢価格で再評価します。営業権の年数設定(通常2~3年)は診療科や地域競争状況を踏まえて買手・売手が擦り合わせることが重要です。
資産価値を土台にのれんを上乗せするこの手法は、上値が過度に膨らまず下値が固いという特徴があります。資産を多く抱えるクリニックを譲渡・買収するときは、EBITDA倍率法やDCF法と組み合わせて価格の目安と妥当性を確認すると安心です。
買手がクリニックを承継した直後に資金繰りでつまずく原因の多くは、クロージング前のデューデリジェンス(詳細調査)が不十分だったことに起因します。
ここでは財務・法務のみならず、医療法人特有のレセプト実績や施設基準までをチェックし、譲渡価格の妥当性と将来の運営リスクを見極められるようにポイントを整理しました。
デューデリジェンスは単なる数字合わせではなく、「未来の損益を予測する作業」です。レセプト伸び率と人件費率が鈍化しているクリニックであれば、買収後に収益改善策を実装する余地がある一方、未払リースや施設基準の未届出が潜んでいる場合は追加投資を覚悟する必要があります。
各項目を精査し、想定外コストを洗い出した上で譲渡価格を調整すれば、クロージング後に資金ショートや訴訟リスクに悩まされる可能性を大幅に減らせます。
クリニックを買収するときは、譲渡価格だけで判断すると後から思わぬ追加コストや人材流出に直面しかねません。ここでは、実務で頻出する3つの落とし穴と、それぞれを事前に封じ込める具体的な回避策を整理します。
・CT、MRIの稼働率が低く、維持費だけが膨らんでいる
・院長個人にひも付く未払い退職金
・築古建物の大規模修繕リスク
・給与テーブル改定でモチベーション低下
税負担・雇用継承・保険医療機関番号など、クリニックM&Aには医療業界特有の論点が多くあります。不明点は税理士や医療法務に詳しい弁護士へ早めに相談し、後から「知らなかった」と損をしないよう備えておきましょう。
個人開業医(事業譲渡)の場合
建物・医療機器など固定資産の売却差額は譲渡所得です。税率は保有5年以下なら39.63 %、5年超なら20.315 %となります。
医療法人(持分あり)の場合
出資持分の売却差額が譲渡所得となり、税率は20.315 %です。退職金と組み合わせると課税を圧縮できます。
個人クリニックを事業譲渡する場合、法的な承継義務はありません。譲受側が改めて雇用契約を結びます。
なお、有給残高や退職金は継承されないため、事前に説明し同意を得る段取りが欠かせません。雇用条件を変更する際は、労働条件通知書を再交付してください。
出資持分が存在しないため、株式や持分の売買は不可能です。一般的には「理事・社員の入れ替え」+「事業譲渡」により経営権を移転します。
資産は法人に残るため、営業権(のれん)+保有資産の時価が主な譲渡価額です。税務上は資産譲渡益として法人課税になります。
厚生局の保険医療機関の指定日は、原則として毎月1日付です。指定申請の締切は各地方厚生(支)局・各県事務所で異なります。そのため、締切日と必要書類は所管に確認し準備・提出してください。
下記表はおおまかな目安です。地域人口動態や競合状況により上下しますので、最終的な評価は専門家へご相談ください。
クリニックM&Aは、巨額の初期投資やゼロからの集患を避け、既存患者・スタッフ・レセプト実績を引き継げる有効な開業手段です。ただし、過大な設備投資、簿外債務や老朽資産、スタッフの離職といったトラブルが発生すれば、資金繰り悪化やサービス品質の低下を招きかねません。
M&A成功の鍵は、次の3点に集約されます。
1.妥当なバリュエーション EBITDA倍率・DCF・純資産+営業権をクロスチェックし、割高・割安を見極めます。
2.網羅的なデューデリジェンス 財務・税務・法務に加え、医療法コンプライアンスや口コミまで調査し、譲渡価格を適切に調整します。
3.綿密な引き継ぎ計画 厚生局・自治体への届出・申請はクロージング後に速やかに提出。書類は事前に整備し、効力発生日直後に出せる体制を用意。スタッフ面談とレセコン/電子カルテの切替は計画・検証・バックアップまで固め、診療停止時間を最小化します。
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