クリニック開業時の労務管理のポイントシリーズの第四回目は、『入職時取付書類』について確認していきます
前回は、労働条件通知書(雇用契約書)について、説明しましたが、入職時には雇用契約書の他に、職員の雇用管理上、下記のような書類が必要になります。
(1)誓約書、(2)身元保証書、(3)秘密保持誓約書(入職時)、(4)通勤経路図、(5)個人番号(マイナンバー)提供書、(6)扶養控除等申告書(税務署類)
それぞれの書類を取り付けする意味合い・目的は以下の通りとなります。
『(1)誓約書』
雇用契約の締結にあたり、就業規則等のクリニックのルールを守るということを改めて書類で取り交わします。就業に関わるルール違反や、業務上の指示に従わないなどがあった場合に、この誓約書を改めて持ち出し、注意・指導していくことになります。
『(2)身元保証書』
故意・重過失による金銭のトラブルが起こった際に、本人に支払い能力がない場合にも、対応できるようにしておくことが望ましいです。また、職員本人と連絡が取れなくなった場合の緊急連絡先としても活用できます。
『(3)秘密保持誓約書(入職時)』
患者さまの個人情報や医療技術に関わる情報等をクリニックの許可なく外部に流出させないということの誓約書であり、医療機関においては必須の書類となります。
『(4)通勤経路図』
職員の通勤費管理のための書類になります。申請されている通勤経路が最も経済的・合理的な経路であるかも確認していきます。通勤費の不正請求を予防するためにも必要です。
『(5)個人番号(マイナンバー)提供書』
マイナンバーは、年末調整および、雇用保険・社会保険関係の手続きの際に、行政機関に提出が必須なので、入職時に取得するようにしていきます。手続においては、マイナンバーが無いと不便になってきています。
『(6)扶養控除等申告書(税務署類)』
給与計算の開始時に扶養の有無を確認する書類として必要となります。
また、開業前の研修期間中は、スケジュールによって時間がバラバラになるため、『出勤簿(手書き)』のものを用意しておくと、勤怠管理も行いやすくなると思われます。
上記で説明しましたような書類により、開業時の雇用管理がスムーズにいくよう準備を進めてください。