年度替わりやドクターの病院勤務の契約満了時期というのもあり、春先の開業は比較的多いですが、それも一段落してきました。来年の開業に向けての構想相談も多くなってきたのですが、「何もわからないので、何から始めればいいのですか?」という質問も受けます。今回はそのようなお話です。
■ドクター
「先生、何から手をつければいいですか。」
○税理士
「はい。まずは先生自身の開業に対するお気持ちを固めていただきたいですね。いわば決意です。」
■ドクター
「開業する気は満々ですよ!」
○税理士
「勤務と経営者の大きな違いは人の採用です。病院の診療スペースを切り取って外へ持っていくのとは訳が違いますので、スタッフについては、先生自身が人を雇っていかなければなりません。『気に入らないから替えて』というのはできません。」
■ドクター
「なるほど、そうですよね。」
税理士
「また、イニシャルコストもかかりますので、大きな借金を背負うリスクと金繰りの苦労を経験していくことにもなります。」
■ドクター
「…」
○税理士
「少し脅してしまいましたが、そういった面倒くさい苦労をしてでも、自分の提供したい医療をし、診たい患者さまを診ていきたいという気持ちが大事ということです。」
■ドクター
「それは、あります!!」
○税理士
「頼もしいです。労務的な悩みや金策については、一人で抱え込んでくださいということでは決してありません。税理士などのサポートを受けつつこなしていけるはずです。」
■ドクター
「そうですね。少し、ほっとしました。次に何をすればいいですか?」
○税理士
「次に、ご家族の同意と協力を得てください。技術的なサポートは専門家ですが、気持ちのサポートはご家族となります。」
■ドクター
「妻は私の気持ちをわかってくれていると思いますし、むしろ、独立開業をすすめてくれています。」
○税理士
「はい。ご家族に何事もお話ししていただくといいですし、開業準備を一緒にしていただくのもいいかもしれません。」
■ドクター
「妻も一緒に準備したいと言っています。ただし、私達だけだと開業に向けて知らないことばかりです。」
○税理士
「開業には様々なプロセスがありますので、開業に明るい専門家で
なおかつ信頼できる方にコーディネートをお願いするのがよいでしょう。
ただし、開業するのはあくまで先生ですから、任せきりでなく、ご自身で考え掌握するようにはしてくださいね。」
【開業に向けての心構え まとめ】
・開業への決意を固めること
・家族の理解・協力を得ること
・信頼できる専門家の選定すること