医院開業コラム
必要開業資金を算出する場合、
(1) 設備費用及び開業までの費用の「初期投資資金」
(2) 「運転資金」
この2つに分けて考える必要があります。
今回は(2)の運転資金についてお話します。
運転資金とはランニングコストとも呼ばれ、クリニックを経営していくのに必要な費用で、家賃・人件費・水道光熱費・リース料・厚生費・交際費等が主なものです。
初期投資資金は一度支払えば終わりですが、運転資金はクリニックが存続する限り永続的に発生するものです。また収入が多かろうが少なかろうが発生するものであり、開業前の段階で、いつになったら運転資金を支払えるだけの収入を得ることが出来るのか予測するのも非常に困難です。
「診療報酬が請求後2カ月で入金されるので2カ月分の運転資金があれば十分ではないか?」と考える方もいるかもしれませんが、実はそれは大きな間違いです。
開業してすぐに軌道に乗り、運転資金を賄えるほどの収入を得るのは稀なケースだからです。
予算額を少し水増ししてでも、長期間の運転資金を調達するべきでしょう。私が事業計画書を作成する場合には、6~8カ月分の運転資金を計上しています。
運転資金とは質が異なりますが、忘れがちなのが、開業する先生の生活費です。開業すれば、当然勤務先からの給料は入ってこなくなります。生活費・住宅ローンの支払い分は確保しておかなければなりません。もう一つ、開業前の勤務医給与額の基準で住民税が課されることも忘れてはいけません。
開業後には、運転資金及び自身の生活費が掛かるということを、十分認識して、余裕のある予算組み・資金調達を心掛けてください。
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