診療科目別で紹介する『これからのクリニック経営手法』

(8)『訪問診療』の経営のこれから

提供株式会社船井総合研究所 上藤英資氏 http://byoin-clinic-keiei.com/ コラム提供者のアイコン

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増加し続ける患者数への対応策

訪問診療の背景を見てみると、市場および在宅医療を実施する医療機関は微増傾向にあり、点数の細分化による減算や重度対応による評価が高まっています。
今後予測される動向としては、以下2つになります。

1.患者数は増加し続けるが、軽度の患者単価は減少傾向に転じます。
そのため、質を担保できる範囲内で患者数の増加が必要になります。
医師が実施しなければならないことにだけ集中できる環境つくりにスタッフが取り組み、効率的運営を行っていくことが求められます。

2.軽度患者への訪問診療が減少した分は、訪問栄養や訪問歯科による口腔ケアなどの予防的周辺在宅サービスがカバーしていくことが予測されます。そのため、今のうちから連携を意識した活動を視野に入れることが望ましいです。

地域により異なる市場性と競合性

都市部とその他地域では、市場性も競合性も異なってきます。「数年前より患者さまの紹介が減少してきた…」など、都市部では聞くようになってきました。

簡単にまとめると以下のようになります。

【都市部】
<市場性>
東京などは過当競争に突入している地域もあります。医療介護関係者は、訪問診療を依頼する診療所を大体決定している場合もあります。
<競合性>
患者数・医師数の大規模化が進み、「この地域の訪問診療は、〇〇診療所」といったポジショニングが決まりつつあります。

【その他地域】
<市場性>
成長期にあり市場は拡大傾向にあります。医療介護関係者は、訪問診療に
取り組んでいる診療所をあまり知らない状況です。
<競合性>
競合も増加傾向にあります。

皆様の医院はどちらの地域に近いでしょうか?もし、都市部に該当するようであれば、直ちに患者さまをご紹介いただける対策を練ることをおすすめします。

永続的な患者紹介を目指すための取り組み

都市部では競争状態になりつつあり、その他地域でも訪問診療の認知度は高まっています。競争状態にある中で、良く取り組まれているのが以下3点です。

(1)糖尿病や認知症などの患者ニーズにあわせた強み、および「褥瘡の治療」や「診療時間の長さ」等自院オリジナルの強みをWEBやチラシで周囲にPR

(2)糖尿病予備軍に該当する方やその家族を集めた予防教室の定期開催

(3)医療介護事業者向けのテーマ別ゲスト講演+診療所からの症例発表会の定期開催

(1)は患者や関係者が状態にあわせて、問い合わせたくなる入り口商品づくりに当たります。(2)と(3)は見込み患者紹介候補と紹介案件獲得の会員化制度づくりと言えます。

いずれも貴院の訪問診療を認知してもらえ、尚且つ地域住民及び医療介護事業者と交流を図る機会づくりになります。

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