開業時から考えたいクリニックの組織づくり

(7)スタッフへのメッセージの伝え方 Ⅰ

提供株式会社メディリリーフ 代表取締役 中小企業診断士 医療経営士2級 荒井 ゆき氏 https://medirelief.co.jp/ コラム提供者のアイコン

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前回までのコラムでは、組織づくりの基礎として、組織の型、組織が出来上がるステップ、そして、組織づくりで定義すべきことを順にお伝えしてきました。今回からは、応用編として具体的にどのようにアクションを起こしてゆけば良いかを考えていきたいと思います。

まずは、組織づくりで定義すべきことのおさらいをしたいと思います。

1.目的
2.目標
3.戦略
4.編成と指示
5.業務方法
6.期待能力
7.育成指導
8.実績の評価

組織の方向性に一致した徹底的な組織づくりを行ううえでは、上記8つの項目をスタッフに提示、あるいは指導していくことが必要でした。これらを日々の業務の中で繰り返し伝え、浸透させてゆくのですが、ここで意識したいことは、「いかに一人一人に効率的かつ効果的に伝え、納得してもらうか」ということです。

効率的に、というのはやや冷たい印象を受けるかもしれませんが、日々の診療をこなしていかなければならない限られた時間の中では常に効率性を追求していくことが大事です。伝え方を誤ると、何往復ものやりとりが発生したり、不要なトラブルが生じ、火消しに時間と労力が取られたりとなりかねません。

そこでご参考にしていただきたいのが「ソーシャルスタイル」という考え方です。これは、1960年代にアメリカの産業心理学者が提唱したコミュニケーション理論のひとつで、スムーズなコミュニケーションを行うための効果的な手法として、一般の大手企業やグローバル企業の研修でも取り上げられています。

ソーシャルスタイル理論では、思考の表現度の軸(人の意見を聞く←→自分の意見を主張する)と感情の表現度の軸(感情表現を抑える=課題中心←→感情表現を表す=人間中心)をとり、それぞれの掛け合わせで、

自分の意見を主張し、感情表現を抑える →ドライバー(行動派)
自分の意見を主張し、感情表現を表す →エクスプレッシブ(感覚派)
人の意見を聞き、感情表現を抑える →アナリティカル(思考派)
人の意見を聞き、感情表現を表す →エミアブル(強調派)

といった4つのタイプに分けます。

それぞれのタイプは一言でいうと

ドライバー(行動派):はっきりした主張を持ち、統率的
エクスプレッシブ(感覚派):前向きで、みんなの雰囲気を盛り上げる
アナリティカル(思考派):細部にこだわり、整合性を大切にする
エミアブル(強調派):自分より人を優先し、主役より脇役を好む

といった特徴があります。ご自身、あるいは周囲の方々のソーシャルスタイルは、どのタイプにあたりそうでしょうか?

メッセージを伝えたいスタッフのソーシャルスタイルによってコミュニケーションの取り方を切り替えることで、伝えなければならないことを効率的、効果的に伝えることができ、相手に気持ちよく、スムーズに行動を起こしてもらうことが可能になります。

次回のコラムでは、それぞれのソーシャルスタイル別に、具体的にどういった働きかけをすると効果的かをお伝えしたいと思います。

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