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医院開業コラム

(10)三大疾病保障の落とし穴?

三大疾病とは、一般的にがん・急性心筋梗塞・脳卒中を指します。
日本人の死因のうち約50%をこの三大疾病が占めているというところから、安心のために備えておきたい方が多い保険です。
ところが、この三大疾病は意外と支払い条件が厳しいため、加入時は注意が必要なのです。

もう5年以上も前に加入した三大疾病保障保険や、医療保険に三大疾病の特約を付けていらっしゃる方は、ぜひ一度保障の内容を確認してみてください。
ガンについては悪性新生物と診断された場合が支払い対象となりますが、急性心筋梗塞・脳卒中の場合には、初診日から60日以上、言語障害や運動失調などの後遺症や、労働制限を必要とする状態が続いているとの医師の診断が無いと支払い対象とならないのです。
つまり、支払い可否の判定は初診日から少なくとも60日以降であり、その期間に順調に回復してお仕事に少しずつ復帰してしまうと支払い対象とならなくなる可能性があります。
せっかく高い保険料を払ったのに、病で倒れて一番不安な時に支払いがされないとわかったらそれはショックですね。
また急性心筋梗塞は対象となりますが、狭心症は支払い対象外であったり、脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)は対象だけれども、脳血管疾患にも関わらずもやもや病は対象外など、支払い対象の疾患が限定されているのが特徴です。医師である皆様にとっては、この違いはご理解しやすいところだと思いますが、一般の人にとっては非常に分かりづらく誤認されている方も多かったのです。

最近の三大疾病保障保険は保険会社によって、支払対象の範囲が変わって
きています。
60日間の労働制限が30日と短くなっていたり、所定の手術を受けることで後遺症や労働制限の判定を待たずに支払い対象となる会社や、急性心筋梗塞・脳卒中に限っていた対象疾患名を「心疾患・脳血管疾患」と範囲を広げている会社もあります。
ガンについても、悪性新生物のみが対象だったものが上皮内新生物まで対象となる会社が増えました。
ところが各社特徴を出してきているため、更に複雑で分かりにくくなっています。

ひとくちに「三大疾病の保障」といっても、三大疾病で入院の保障を充実させたいのか、一時金を受け取りたいのか、保険料が免除になることを望むのか、安心を得るための目的をきちんとヒアリングし、目的に適した保険を提案できるコンサルタントに相談することが大切です。

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