「まだ自院を知らない新規の患者さま」の来院のきっかけを作ること。
それはクリニックの開業時、あるいは開業してからもずっと、大事に考えなければならないことです。そのポイントはズバリ、「地域の中で認知度をいかに上げるか」ということです。
「認知度」にも段階があります。
「あそこに○○クリニックがある」というレベル。
これでは不十分な認知度といえます。
目指したいのは、「○○という症状になったときには、△△クリニックに行こう」というレベルです。
つまり、「存在を知られている」程度では、実際には患者さまの来院に結びつかないので、「困ったときにはあそこに行こう」という認知度を目指さなければならないのです。それではどのようにして認知度を上げるかというと、その答えは「情報発信をする」ということです。
押さえておきたい情報発信における2つのポイント
(1)内覧会の告知チラシ
クリニック開院時の内覧会のお知らせとして、充実した内容(来院してほしい疾患の紹介、先生の経歴・得意な治療の紹介など)のチラシをできるだけ多くの部数配布します。お手伝いした事例をご紹介すると、医院近隣のエリアに5万部を2回に分けて新聞折込で配布したところ、オープン内覧会に2日間で総数200名以上の来院数がありました。その医院は皮膚科ですが、開院6ヶ月で一日平均患者数80名を超えています。
(2)内容の充実したホームページ
初回来院の患者さまにアンケートを取ると、5割から多いところで8割くらいは「ホームページを見て来院」という答えが返ってきます。インターネットの普及が進み、さらに60歳以上の方でも携帯電話・スマートフォンを持っている時代です。どんなに口コミが良くても、患者さまはまず、「インターネットで検索して、どんな医院かを調べる」というステップを踏んで、来院するようになってきました。だからこそ、ホームページを持つことは「新規の患者さまに来院いただく」ために必要不可欠になってきています。
ホームページにも2つのレベルがあります。
(1)「医院の名刺代わり」程度の、医院名・診療時間・アクセス・医師紹介が掲載されているホームページ
(2)「どんな疾患の方に来院してもらいたいか」を念頭においた、「患者さまに来院を促すためのコンテンツ」が掲載されているホームページ
もちろん、目指してほしいのは(2)のホームページです。
来院を促すためのコンテンツ
1)疾患別ページ
ご自分のクリニックででどんな病気を治せるのか、どんな治療を行うのか、を具体的に紹介することがまず大事です。皮膚科を例にすると、「にきび」「いぼ」「ほくろ」「粉瘤」「水いぼ」というように、疾患ごとに1ページずつ作成します。
2)治療法別ページ
1と関連しますが、今度は自院でどんな治療方法を行っているかを紹介するページです。皮膚科の例でいうと、「しみレーザー」「炭酸ガスレーザー」等のページになります。
ホームページ全体のページ数は、治療法別ページの場合は30ページから50ページほどになります。これくらいしっかりとした物をつくることが、開業後も安定して患者様が来院する医院になるために重要です。
充実したホームページ制作は開業準備の1ステップとしてぜひ実施していただきたい重要な事項です。