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電子処方箋導入は今がチャンス 国が負担する補助金制度を解説

電子処方箋導入は今がチャンス 国が負担する補助金制度を解説

2023年のオンライン資格確認の開始以降、国は医療DXを本格的に推進しており、その一環として電子処方箋の全国普及を後押ししています。その中でも注目すべきは、電子処方箋の導入費用の一部を国が補助する制度が用意されている点です。

本記事では、電子処方箋に関する補助金制度の内容、対象経費、補助額、申請条件や手順までを分かりやすく解説します。これから導入を検討している医療機関・薬局の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

 

1.電子処方箋導入支援の補助金制度とは

国はオンライン資格確認の義務化に続き、医療DXの要である電子処方箋を全国へ普及させるため「電子処方箋管理サービス等関係補助金」を創設しました。診療所・病院・薬局が電子処方箋を扱える環境を整える際、システム改修費や周辺機器購入費などの一部が国費にて補助されます。

例えば診療所であれば、導入経費の1/2(上限19.4万円)、中小病院では1/3(上限108.6万円)が交付されるため、投資負担を大幅に軽減できます。

補助金制度の目的

政府が電子処方箋の導入支援に力を入れる背景には、医療の質や効率の向上に加え、将来的な医療DXの基盤整備という狙いがあります。補助金制度の目的は、以下の4つに集約されます。

目的 内容
安全性の向上 処方・調剤情報をリアルタイムに共有することで重複投薬や薬剤相互作用を防ぎ、患者安全を高める
業務効率化 紙処方箋の授受や保管が不要となり、医療機関・薬局双方の事務負担を軽減
医療DXの推進 全国共通基盤を整備し、リフィル処方箋や院内処方機能など追加サービスへ発展させやすくする
費用面の障壁解消 小規模なクリニックでも導入できるよう国が初期費用を補助し、普及を加速させる

 

電子処方箋に関する詳細は、別記事「電子処方箋とは? 全国普及へ加速する医療DX」をご参照ください。

補助金の申請期間

補助金の対象となるのは令和7年(2025年)9月30日までに電子処方箋管理サービスの導入を完了し、令和8年(2026年)3月31日までに申請した案件です。機能拡充(リフィル処方箋など)だけを追加導入する場合は令和8年1月15日が申請期限です。

期限を過ぎると補助を受けられないため、ベンダー選定や工事スケジュールを早めに確定しておく必要があります。

補助金の対象者、条件

補助金を申請するには、対象となる医療機関や薬局が一定の要件を満たしている必要があります。具体的な条件は以下のとおりです。

  • 保険医療機関・薬局(診療所、病院、保険薬局など)
  • オンライン資格確認等システムを運用済みであり、電子処方箋管理サービスを利用できる環境が整っていること
  • 申請時に「電子処方箋管理サービスを利用できるシステムの環境整備が完了した日」をポータルサイトへ入力していること

診療所、病院、薬局といった区分ごとの補助上限額は、次章で解説します。

2.補助対象となる費用・補助金額

お金 イメージ

補助金がカバーする経費の範囲を押さえておくと、必要書類の漏れや準備不足を防げます。まずは対象となる内容を具体的に確認しましょう。

補助対象の経費

電子処方箋管理サービスの導入では、次のような費用が補助対象になります。

 

区分 主な例
機器購入費 ICカードリーダライタ、NFC対応タブレット、サーバ・ネットワーク機器など
システム改修費 レセプトコンピュータや電子カルテのプログラム改修、ネットワーク整備、電子署名モジュール追加
研修・指導費 ベンダーによる操作研修、マニュアル整備、テスト稼働支援
追加機能導入費 リフィル処方箋、院内処方機能、処方箋ID検索などの拡張モジュール

上表に該当する支出が領収書の写し、領収書内訳書で証明できれば補助対象となります。

区分ごとの上限額と補助率

続いて、医療機関・薬局の区分ごとに設定された補助率と上限額を整理します。自院・自薬局の区分を照合し、補助金を試算する際の参考にしてください。

 

1. 初期導入(通常の電子処方箋管理サービスのみ)

区分 補助率 上限額 事業額上限
大規模病院(200床以上) 1/3 162.2万円 486.6万円
病院(大規模病院以外) 1/3 108.6万円 325.9万円
診療所 1/2 19.4万円 38.7万円
大型チェーン薬局(調剤月4万回以上) 1/4 9.7万円 38.7万円
上記以外の薬局 1/2 19.4万円 38.7万円

 

2. 同時導入(電子処方箋管理サービス+新機能)

区分 補助率 上限額 事業額上限
大規模病院(200床以上) 1/3 200.7万円 602.2万円
病院(大規模病院以外) 1/3 135.3万円 405.9万円
診療所 1/2 27.1万円 54.2万円
大型チェーン薬局(調剤月4万回以上) 1/4 13.8万円 55.3万円
上記以外の薬局 1/2 27.7万円 55.3万円

 

3. 新機能導入(リフィル処方箋等)

区分 補助率 上限額 事業額上限
大規模病院(200床以上) 1/3 45.2万円 135.6万円
病院(大規模病院以外) 1/3 33.3万円 100.0万円
診療所 1/2 12.3万円 24.5万円
大型チェーン薬局(調剤月4万回以上) 1/4 6.4万円 25.6万円
上記以外の薬局 1/2 12.8万円 25.6万円

 

4. 新機能導入(院内処方機能)

区分 補助率 上限額 事業額上限
大規模病院 1/3 55.0万円 165.0万円
病院 1/3 39.3万円 117.9万円
診療所 1/2 10.8万円 21.5万円
大型チェーン薬局 1/4 1.5万円 6.0万円
そのほかの薬局 1/2 3.0万円 6.0万円

 

補助金申請時に注意するポイントは、以下の4点です。

  • 上限額と「事業額×補助率」の低いほうが交付額となる。
  • 初期導入と同時導入の申請は、1回限り。後で機能を追加する予定なら同時導入のほうが有利。
  • 院内処方機能の申請開始時期は未定。最新情報を必ずポータルで確認。
  • 令和7年9月30日までに導入完了、令和8年3月31日までに申請する必要がある(リフィル等単体導入は令和8年1月15日まで)。

参考 厚生労働省「電子処方箋管理サービス等関係補助金の申請について

 

3.補助金の申請条件と注意点

計算イメージ

電子処方箋関連の補助金は、下記の条件を満たしていない場合、補助金が交付されないため注意が必要です。

 

項目 概要
オンライン資格確認を運用済み 顔認証付きカードリーダーなどを設置し、オンライン資格確認等システムが稼働していること
電子処方箋環境の整備完了 電子カルテやレセコンが電子処方箋管理サービスへ接続済みであること(テスト送信を含む)
完了日の入力 ポータルサイトの「運用開始日入力」メニューで、環境整備が完了した日を登録済みであること
保険医療機関・薬局である 保険医療機関コード・薬局コードを持ち、診療報酬または調剤報酬を請求していること
GビズIDの取得 ポータルへログインする代表者アカウントと、施設単位の申請権限設定が済んでいること


電子処方箋の補助金の申請は「一度きり」というルールと期限を守り、領収書内訳まで整えてから申請すればトラブルは避けられるでしょう。

最新情報は、厚生労働省「電子処方箋管理サービス等関係補助金の申請について」をご参照ください。

4.補助金の申請方法

電子処方箋関連の補助金申請は「医療機関等向け総合ポータルサイト」上で行います。ここでは初めて申請する方向けに、必須準備から交付決定までを4ステップに整理しました。

ステップ1 ポータルサイトで運用開始日を入力

まず、電子処方箋管理サービスを稼働させた日(完了日)をポータルの「運用開始日入力」メニューに登録します。入力しなければ申請画面へ進めません。

また、オンライン資格確認が未稼働の場合は前提条件を満たさないため、必ず先に顔認証付きカードリーダーなどを設置し、動作確認を済ませましょう。

 

ステップ2 補助金交付申請の準備

補助金の申請に進む前に、必要書類やGビズIDのアカウントの準備を整えておくことが重要です。申請時に求められる代表的な書類や手続きについて、注意点と併せて整理します。

 

書類・項目名 内容 注意点
領収書・領収書内訳書 「機器購入費」「システム改修費」などの項目ごとに、税込金額を明記した書式が必要。 領収書に「○○一式」とだけ記載すると返戻対象。品目別の金額を必ず記載。
GビズID 申請に必須。発行までに2~3週間かかるため、締切直前の取得申請では間に合わない可能性あり。 GビズIDは施設単位ではなく責任者個人にひも付くため、退職・異動予定がある場合は代理人も設定しておくと安全。

参考 保健医療局「医療機関における電子処方箋の活用・普及の促進事業

ステップ3 オンライン申請(入力・書類アップロード)

医療機関等向け総合ポータルサイトへログインし、以下を順番に入力・添付します。

  1. 申請区分の選択(初期導入/同時導入/新機能導入など)
  2. 運用開始日を入力
  3. 費用内訳の入力(領収書内訳書と同じ区分)
  4. 添付書類のアップロード(PDFなど)

ファイル名に「施設名_領収書.pdf」など分かりやすい名称を付けておくとミスを減らせます。入力完了後に内容をチェックし、問題なければ送信します。

 

ステップ4 交付決定と補助金受領

申請が受理されると、ポータルの「マイページ」に審査状況が表示されます。交付決定後に、基本的には指定した診療報酬・調剤報酬の振込口座へ入金されます。

 

電子処方箋を申請する際は以下の注意点を確認し、抜け・漏れがないように気を付けましょう。

 

チェック項目 目安
GビズIDプライム取得済みか 申請開始2~3週間前
オンライン資格確認が稼働しているか 顔認証付きカードリーダー設置・テスト済み
運用開始日をポータルに入力したか ステップ1 完了後
領収書・内訳書の品目が細分化されているか 「○○一式」は不可
申請区分を誤っていないか 1施設1区分・1回限り

 

5.電子処方箋補助金の活用で導入負担を最小限に

電子処方箋の導入は、医療現場の効率化と安全性向上に直結するだけでなく、医療DXの基盤づくりとしても重要な取り組みです。補助金制度を活用すれば、初期費用の負担を大きく軽減できるため、特に小規模な診療所や薬局にとっては絶好の機会といえます。

導入に関する不明点やご相談があれば、電子処方箋に精通したベンダーや支援機関へ問い合わせることで、よりスムーズな申請と運用が実現できます。日本調剤は今後も普及に向けた取り組みを実施するため、電子処方箋について相談や質問があれば、お気軽にお問い合わせください。

また、日本調剤はクリニック開業の無料サポートも行っています。開業物件の提案・診療圏調査・スタッフ採用の支援・内覧会の実施など、幅広いサービスを提供しているため、ぜひご相談ください。

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