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医師の労働時間の実態と課題「働き方改革後の制度とキャリア選択」

医師の労働時間の実態と課題「働き方改革後の制度とキャリア選択」

医師の労働時間について、「自分は働きすぎなのではないか」と感じたことがある先生も多いのではないでしょうか。2024年以降は医師の働き方改革により制度面の整備が進みましたが、実際の働きやすさは診療科や勤務体制、キャリアの選び方によって大きく異なります。

本記事では、厚生労働省の調査データをもとに労働時間の実態を整理し、長時間化の背景や現場での対処法、今後のキャリア選択の考え方を解説します。

目次

医師の労働時間の実態

医師の労働時間については「とにかく忙しい」「長時間労働が当たり前」といったイメージが先行しがちですが、まずは客観的なデータから実態を確認することが重要です。

厚生労働省が実施した「医師の勤務実態調査」では、病院勤務医の労働時間について、平均値だけでなく分布や勤務形態の違いも含めて整理されています。

ここでは、調査結果をもとに「どの程度が一般的なのか」を数値で可視化します。

病院勤務医の平均労働時間

厚生労働省の「医師の勤務実態調査」によると、病院に勤務する常勤医師の労働時間は、週あたりおおむね50~60時間が平均的な水準とされています。これは、法定労働時間である週40時間を上回る水準です。

この労働時間には、外来や手術といった診療時間だけでなく、診療外業務(書類作成、カンファレンス、指導業務など)や、宿日直中の待機時間も含まれています。一般労働者と比較すると、医師は恒常的に時間外労働が発生しやすい職種であることが、数値上も明確に示されています。

週60時間・80時間を超える医師

平均値だけを見ると「思ったより普通かもしれない」と感じるかもしれませんが、分布を見ると状況がより明確になります。調査では、週60時間を超えて勤務している医師が一定割合存在し、週80時間を超える長時間勤務の医師も珍しくありません。

特に、研修医や若手~中堅医師に長時間勤務が集中しやすい傾向が指摘されています。診療現場の中核を担いながら、当直やオンコールの頻度が高いことが、その要因の一つです。「自分は働きすぎなのではないか」と感じている医師の多くは、実際に統計上も長時間勤務層に該当している可能性があります。

診療外業務・当直・待機時間

医師の労働時間が長くなりやすい理由の一つは、労働時間が診療行為だけで構成されていない点にあります。会議や書類作成、後輩医師の指導、医局業務に加え、当直やオンコール、院内での待機時間など、多くの業務が積み重なっています。

これらの時間は、医師本人の感覚としては「実働ではない」と捉えられやすい一方で、統計上は労働時間として計上されるケースが多く、体感と数字のズレが生じやすくなります。その結果、「なぜこんなに忙しいのか」「どこで時間を使っているのか分からない」と感じやすくなるのが、医師の労働時間の特徴といえます。

なぜ医師の労働時間は長くなりやすいのか

医師の長時間労働は、「要領が悪い」「断れない性格」といった個人差だけで説明できるものではありません。

実際には、医療現場の構造・制度・文化が重なり合うことで、労働時間が長くなりやすい状態が作られているのが実情です。下記の表では、その主な要因を整理します。

要因 内容 労働時間が延びやすい理由
診療科・救急・手術 外科系・救急科・産婦人科など 予定外対応が多く、時間で区切りにくい
当直・オンコール 定期的に組み込まれる勤務 実質的な連続勤務になりやすい
職業意識・文化 応召義務・責任感 断れず、引き継ぎが難しい

 

医師の労働時間が長くなりやすい背景には、個人の働き方ではなく、診療科の特性、当直体制、医療現場に根づく文化といった複数の要因が重なっています。これらは単独で作用するのではなく、組み合わさることで長時間労働を常態化させていると考えられます。

医師の働き方改革で何が変わったのか【2024年以降】

2024年4月から、これまで猶予されてきた勤務医の時間外労働に対する上限規制が本格的に適用されました。医師特有の事情を踏まえ、一般労働者とは異なる複数の水準が設けられるとともに、健康確保のためのルールも制度化されています。

制度上は、医師の長時間労働を抑制する枠組みが整いましたが、実際の働き方は医療機関ごとの運用に大きく左右される点が特徴です。ここでは、制度の中身と押さえておくべきポイントを整理します。

時間外労働の上限規制(A・B・C水準)

働き方改革では、医師の時間外・休日労働について、A・B・Cの3つの水準が設定されました。原則となるA水準では、時間外・休日労働の上限は年960時間(月平均80時間)とされています。

一方、地域医療の確保や高度な研修・技能習得など、やむを得ない事情がある場合には、都道府県の指定を受けることで、B水準・C水準として最大年1,860時間(月平均155時間)までの時間外労働が認められます。どの水準が適用されるかは、医師個人ではなく、医療機関単位で指定される点が重要です。

また、副業や兼業をしている場合でも、すべての労働時間は合算して管理されます。これにより、医師本人だけでなく、医療機関側にも労働時間を把握・管理する責任が明確に求められるようになりました。

労働時間を減らすために現場でできる対処法

医師の労働時間は、制度改正だけで自動的に短くなるものではありません。実際には、日々の運用や体制設計にどれだけ手を入れられるかに左右されます。対処の方向性は、大きく「業務分担」「勤務体制」「職場環境」の3点に整理できます。

業務分担を見直す(タスクの切り分け)

まず取り組みやすいのが、医師でなくても対応可能な業務を洗い出すことです。書類作成、説明補助、各種調整業務などは、必ずしも医師本人が担う必要のない業務が多く含まれています。

看護師などの他職種への業務移管を進め、役割分担を明確にすることで、診療外業務に費やす時間を減らすことが可能です。併せて、電子カルテやICTツールを活用し、記録や情報共有にかかる時間を圧縮することも、労働時間短縮に直結します。

勤務体制を見直す(当直・救急対応)

労働時間を押し上げやすい当直や救急対応については、当直明けに通常勤務を前提としない運用を検討することが重要です。形式上のルールだけでなく、実際に休息が取れているかどうかがポイントになります。

交代制やチーム制を導入し、当直やオンコールの負担を特定の医師に集中させない体制を整えることで、連続勤務を避けやすくなります。これは医師の負担軽減だけでなく、医療安全の観点からも有効です。

職場環境を見直す(数字で把握する)

労働時間の長さには、病院ごとの文化や管理体制による差が大きく影響します。そのため、「忙しい」「大変だ」という感覚だけでなく、時間外労働実績、当直回数、休息時間の確保状況などを数字で確認する視点が欠かせません。

改善を進める際には、現職内での調整だけにこだわる必要はありません。どうしても構造的な制約が大きい場合には、労働時間を軸に職場を選び直すこと自体が有効な選択肢となることもあります。

医師のキャリアと労働時間

医師の労働時間は、日々の頑張りや自己管理だけで決まるものではありません。実際には、どのようなキャリアを選ぶかによって、労働時間の前提そのものが大きく変わります。選択肢は、大きく分けて「今の職場で調整する」「働く場所・形を変える」「開業する」の3点です。

今の職場で続ける場合の考え方

現在の職場にとどまりながら労働時間を調整することは、決して不可能ではありません。業務量や役割分担は、交渉や調整によって見直せる可能性があります。例えば、診療内容の比重、当直やオンコールの頻度、教育・管理業務の担当範囲は、労働時間に直結する要素です。

また、専門性をある程度絞ることで業務効率が上がり、結果として拘束時間が短くなるケースもあります。特定の医師に負担が集中している場合には、役割を分散することで、長時間化を防ぐという選択肢も考えられます。

働き方を変える(転職・非常勤併用)という選択

労働時間は、病院ごとの診療体制や管理方針によって大きく異なります。そのため、労働時間を重視して職場を選び直すことで、負担を大きく減らせる可能性があります。

常勤と非常勤を組み合わせる働き方を選べば、勤務日数や拘束時間を調整しやすくなります。子育てや介護など、ライフステージの変化に応じて働き方を柔軟に変えることも、現実的なキャリア設計の一つです。

開業という選択

勤務医の場合、労働時間は組織の方針や体制に委ねられますが、開業医は労働時間を自ら設計できる点が大きな違いです。診療時間や休診日、人員配置を自分で決められるため、働く時間の自由度は高くなります。

一方で、経営責任や開業準備といった負担が伴うのも事実です。ただし、長期的に見れば、労働時間と収入のバランスを自分で設計できるという点は、開業ならではの特徴といえます。

開業後の労働時間

開業後の労働時間は、開業してからの努力や工夫よりも、開業前の設計によってほぼ決まるといえます。特に影響が大きいのが、立地、診療時間、人員計画の組み合わせです。

立地や商圏によって患者数や来院時間帯は大きく異なり、患者層が高齢者中心なのか、働く世代が多いのかによって、適切な診療時間帯も変わります。

また、予約制か自由来院制かといった診療の進め方は、日々の診療内容や医師の拘束時間に直結します。人員配置が不十分な場合には、診療以外の業務が医師に集中し、結果として労働時間が膨らみやすくなります。

無理のない働き方を実現するには、賃料や立地条件だけでなく、診療圏の中身を確認し、想定患者数から診療時間や人員を逆算する視点が欠かせません。開業準備は単なる手続きではなく、自分の働き方の主導権を設計するためのプロセスと捉えることが重要です。

 

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医師の労働時間は「選び方」で変えられる

医師の労働時間は、個人の努力や自己管理だけで決まるものではなく、診療科の特性、当直体制、職場の管理体制といった構造的な要因によって大きく左右されます。まずは制度や実態を正しく理解し、自分の働き方がどのような前提で成り立っているのかを整理することが重要です。

2024年以降は働き方改革により制度面の枠組みが整いましたが、実際の働きやすさは現場での対処やキャリア選択によって変わります。勤務を続けながら調整するのか、働く場所や形を変えるのかを、労働時間の視点で考えることが無理のない働き方につながります。

開業を検討する場合は、立地や診療時間、人員計画といった初期設計の段階で働き方を組み立てることが重要です。

日本調剤では、物件紹介、診療圏調査、資金計画、設計、医療機器の選定、集患施策までを一貫してサポートしています。勤務を続けながら開業準備を進めたい先生や、将来の選択肢として可能性を検討したい先生は、まずは気軽にご相談ください。


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