クリニック開業時に押さえておきたい労務管理のポイント

(6)就業規則 労働時間・休日・休暇の設定

提供社会保険労務士法人FDL 代表社員/特定社会保険労務士 森山 幸一氏 http://moriyama-sr.com/ コラム提供者のアイコン

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職員が働く中で、給与と同様によく見ている条件が、労働時間・休日・休暇になります。この部分が就業規則・雇用契約書と実際の運用が違うことになると、院長への不信感が出て、労務トラブルに発展することが多くありますので、以下に記載事例などをご説明します。

所定労働時間の設定

所定労働時間≠診療時間であり、準備・受付時間、および診療後の片付け時間の設定が されているか。
  例)診療時間 9:00~12:30 15:00~18:30
     ↓
    所定労働時間 8:30~13:00 14:45~19:00(8.75h)
   ※職員10名未満の場合、週所定労働時間44時間、1ヶ月単位の変形労働時間制の導入により、より柔軟な労働時間の設定が可能となります。(一般的な労働時間の考え方は、1週40時間、1日8時間となります)

休日の設定

クリニックの休診日を設定。
休日がシフト制の場合:4週8休制 シフトにより定める。

休暇の設定

夏季休暇・年末年始休暇は都度、クリニックの指示により定める。
  
有給休暇は職員が持つ権利として申請されることになります(パート職員にも、出勤日数に応じた比例付与で、有給休暇が付与されます)。しかし、クリニック経営においては、1人休まれると、クリニック運営がまわらないということも現実としてあり、有給休暇の取得を抑制することが多く有ります。有給休暇は付与されてから『2年』で消滅しますので、取得抑制により消滅する有給休暇が発生することに対し、職員の不満が溜まって、一方的な有給休暇の取得や、消滅前の退職による有給休暇の取得などで、トラブルになるケースも見受けられます。
 そういったクリニック経営の現状と、職員の権利を上手くコントロールしていくためには、以下の対策をしておくことをおすすめします。
 (1)有給休暇の『計画的付与』により、夏季・年末年始休暇の一部や、学会出席による休診日の一部を、有給休暇の消化により休みとするようにしておく。
 (2)有給休暇消滅による、消滅した日数分について、消滅後の給与などで『手当』として支給することをルール化しておく。

働く時間と休みに対する職員の権利意識の高まりに合わせて、クリニックとしても法に則った形で準備し、双方が納得できる職場づくりに繋げて頂きたいと考えております。

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