医院開業への道

医療モールとは? 医療モールが増加の背景、役割から徹底解説

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単なる医療施設としてだけでなく、地域医療の活性化の役割も担う医療モールは、ここ数年の間に大きな発展を遂げてきました。今回は、医療モールが都市部を中心に増加傾向にある背景を探るとともに、医療モールの形態や役割などについて紹介していきます。

 近年、都市部を中心に多く展開されている医療モールは、「複数の診療科の診察を一ヵ所で受けられる」「効率的に通院しやすい」という点から患者さま側からの利便性も高く、今後ますます成長が見込まれる施設として注目されています。
一般的に、医療モールはアクセスのよい場所に立地し、専門性を活かした質の高い医療を提供できるという点から、地域住民からも広く認知される存在です。昨今、医療モールが増加傾向にあるのには、超高齢化社会となった日本における保険制度に伴うさまざまな理由があります。
今回は、医療モールが増加を続ける背景とその理由のほか、医療モールの形態、医療モールがもつ役割やメリットなどについて解説します。

医療モールとは?

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 医療モールとは、例えば内科や耳鼻咽喉科、小児科、歯科、整形外科など診療科の異なる複数のクリニックと調剤薬局が1つの建物内や場所などに集合している医療施設のことです。
単独で開業しているクリニックと異なり、専門性の高い複数のクリニックが集まり患者さまの効率的な通院も可能なことから、医療モール内でのクリニック開業は増加傾向にあります。
単なる医療施設としての機能のみならず、地域医療のより良い発展にも寄与する医療モールは、独立を検討する医師の間でもメリットのある開業先として注目されています。

 国内の医療費における経済状況は、患者の急速な高齢化にともない、大幅な上昇傾向にあります。
しかし、日本の保険制度を支えている現役世代の人口は、今後ますます減少していくとされており、このままの状態では、高齢者の医療費が増大し続けることによって保険制度が崩壊しかねない点が危惧されています。
そのため政府は、高齢者医療費の削減を目指し、病床数の削減のほか、ジェネリック医薬品の普及促進などに力を入れようとしている現状があります。
結果として、今まで多くの患者を受け入れてきた中核病院の機能は、あくまでも急性期の患者向けの治療に特化するという方向で、医療システムの役割分担が進められているのです。
そこで必要となるのが、地域医療の充実です。専門性の高い医師と複数の診療科が集う医療モールは、患者の高齢化にともなう地域医療に対するニーズの高まりからその必要性は増しています。社会や時代の流れに沿った、患者からのさまざまな要望に応えることのできるシステムとして、医療モールは注目の施設となっているのです。

医療モールの形態

一般的に医療モールの形態は次の3つに分けられます。

1. 戸建てクリニックが集まる「医療ビレッジ」


「医療ビレッジ」とは、同じ敷地内に戸建てタイプのクリニックが集合しているタイプのものを指します。
比較的土地の確保が容易な幹線道路沿いに作られており、敷地内に共有の駐車スペースを配置して集患を促しているところが多くみられます。ビルテナントと比べて設計の自由度は高く、クリニックのコンセプトにあわせた設計やデザインを反映しやすくなっています。

2. 商業施設に併設する「医療モール」


ショッピングモールや駅ビルといった商業施設内に併設された「医療モール」は、患者さまが買い物のついでに通院できるなど、利便性の高い施設です。商業施設に併設ということもあり、患者さまからの高い認知度が見込めるというメリットがあります。
また、駐車場やトイレ等は施設に設置されているものを利用できるため、初期費用を抑えたいクリニックにとっても適しています。


3. テナントすべてが医療機関の「医療ビル」


「医療ビル」は、ビル内にクリニックと調剤薬局のみが入居しているタイプの施設を指します。
基本的に医療機関が入居することを前提としているため、広さや仕様が医療機関にあわせた仕様となっており、医師側からみると使い勝手が良いという特徴があります。
あわせて、車いすの患者さまも使いやすい広めのエレベーターが設置されていたり、バリアフリー設計になっていたりする施設も多く、高齢の患者さまや障害を持つ患者さまにとって来院しやすい面もあります。

医療モールの役割とは

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医療モールは、地域住民への総合的な医療を提供すると同時に、独立開業を検討する医師をサポートする役割も担っています。それぞれについて詳しく解説します。

1. 地域住民への総合的な初期医療・専門医療の提供


医療モールでは専門的な医療を提供するクリニックを複数集めているため、患者さまは何度も外出することなく、一度で複数の診療科を受診することができます。
そのため、かつては地域の基幹病院で専門的な治療を受けていた人たちも、医療モールのクリニックで気軽に同じレベルの医療提供を受けることが可能となりました。
地域住民への総合的な医療体制が提供しやすくなったという意味でも、医療モールは重要な役割を担っています。

2. 独立開業を検討する医師のサポート


独立開業を検討する医師にとっても、医療モールへの入居は初期投資を抑えながら一等地への開業を容易にする方法として有効です。
一般的に、開業医の数が増加傾向にある昨今において、単独での開業はハードルが高く、地域住民からの認知、開業後の収益面などで不安があることも否めません。
その点、開業を希望する医師を医療モールに誘致することで、初期投資を抑えながら、地域住民からも認知されやすい場所でクリニックを開業するという道筋がつけやすくなります。
医療モールは、独立を検討する医師の開業を支援し、サポートするという役割も担っているのです。

医療モールのメリットとは

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ここからは、医療モールのメリットについて確認していきましょう。
医療モールには、次の3つのメリットが挙げられます。

1. 高い認知度が見込め、効率的な集患が可能になる


先述の通り、アクセスのよい場所に作られることの多い医療モールは、地域住民からの認知度も高くなりやすく、多くの患者さまの来院が見込めます。

2. 医療モール内の他のクリニックと連携がとりやすい


治療内容によっては、他の専門科の医師と連携をはかる必要が出てくることもあります。
そのような場合でも、診療科が異なるクリニックが集まっている医療モールであれば、同じモール内にある他のクリニックを患者に紹介することで、効率よく自分の専門医療に集中できます。
医師同士での情報共有もしやすく、他のクリニックと連携をとりやすいという点でも大きなメリットがあります。

3. 開業にあたっての資金計画や資金調達の負担が軽減される


医療モールでの開業は、単独開業と比較し、他のクリニックと共有できる部分が多くあるため、初期投資を抑えられる傾向にあります。
看板や駐車場、トイレや待合室などといった医療モール内の設備についても他と共有可能な場合も多いため、コストの分担も可能となり、資金の負担を減らすこともできます。

医療モールは、地域医療の重要な役割を担う施設であることはもちろん、医師側にとっても効率的な集患や資金面での負担軽減、地域コミュニティへの認知度の高さから、多くのメリットが見込まれる開業方法です。
医療モールでの開業を検討されるドクターはぜひご相談ください。

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