今回は、IT化が進むサイン(看板)業界の動向についてお話しいたします。

皆さまは『デジタルサイネージ』をご存じでしょうか。
駅やショッピングモールをはじめ、電車の車両内のドア上部に設置されているディスプレイといえば「ピン」と来る方も多いのではないでしょうか。屋外の大型モニターで放映されるCMや、車両内で次の停車駅や乗り換えや遅延のお知らせなど、その役割は多岐に渡ります。海外から来日した人にも翻訳された看板の役割を担うなど私たちに重要な情報を伝えてくれます。
様々なコンテンツが日々更新されるデジタルサイネージは、今後どんどん需要を伸ばす商材として注目されています。一方で、「テレビだと思ってた」や「パソコンやフォトフレームと何が違うの?」などのお声もよくいただきます。確かにとても似ている様ですが、一般的に「デジタルサイネージ」の役割として高い視認性での情報提供(次世代型の看板としての役割)・空間演出・業務の効率化・災害時の掲示板・広告、等々が挙げられます。

では、医療機関様向けならではの活用方法についてご紹介いたします。
患者さまはどこまで、通院しているクリニックのことを理解しているでしょうか。
意外と患者さまはクリニックの詳細についてを知らないと思います。
例えば「どんな検査ができるのか」「得意な診察は何か」等、意外と知られていないことも多いのです。
先日も、デジタルサイネージを見ていたお子さま連れの女性が
「ここでピロリ菌の検査できるんだね、この検査したかったんだよね~」とお子さんと話してました。

そこで、クリニック側が伝いたい情報を待合室のモニターにて放映し、
患者さまに「気付き→関心・意識→行動」という流れで、クリニックのポテンシャルを知ってもらうという流れを作ります。

上記の逆パターンで、先生から「こんな検査ありますよ。ただし自費ですが…」とアプローチする「行動→関心・意識→気付き」という流れは逆効果になることもありますので注意が必要です。

・「ピロリ菌検査や血液検査などやってみたいものの、このクリニックでできますか?」
・「自費だとしてもビタミン注射って少し興味あるんだよね。」
・「内視鏡ってハードル高いイメージ持ってたけどそうでもないんだ」
・「診察中、先生と顔をあわせても、・聞きたい内容がうまく説明できない」
などの声も聴きます。

もちろん押し売りするような情報はよくありませんが、診察内容、検査内容、薬の飲み方、リアルタイム情報など、幅広く患者様に伝えることで、患者さまの定着(再来院)・口コミにつながっていくのではないでしょうか。

クリニックから、患者さま一人ひとりに情報を伝えるのは結構な労力が必要となります。
そこでクリニックの「伝えたい」と、患者さまの「知りたい」の間に、デジタルサイネージを運用してみるのも一つの手ではないでしょうか。